【海に浮かぶ金塊】の発見は、人間を【幸福】にするのか？？

今日のテーマは、『海に浮かぶ金塊の発見は、人間を幸福にするのか？？』です。

先日も、とても興味を惹かれる報道を目にしました。

タイトルの言葉【海に浮かぶ金塊】と聞いて、

皆さん、何を示しているか分かりますか？？

勿体ぶらずに、さっさと解答をお伝えしようと思います。

【龍涎香：りゅうぜんこう】

この言葉を聞いても、ピンと来ない方々もいますよね（笑）

世界全体としても、頻繁に起こるイベントではないですが、

それでも、定期的にメディアで話題に上がるニュースです。

少しだけ、そのもの自体の説明もさせて頂きます。

結論、

【龍涎香】は、マッコウクジラの腸内で発生する結石で、

全体の１％〜５％が保有すると言われる貴重なものです。

生成過程は、

マッコウクジラが、主食としている『イカ』に由来し、

クチバシ（顎板）が消化管をスムーズに通過するよう、

分泌液で包み込んだものが、腸管内部で結石化します。

多くの場合、

自然界において、マッコウクジラが息絶え、分解された後、

結石単体が海を漂流し、海外に漂着したものを発見します。

その（漂流）過程、

もちろん、現物はあらゆる観点で『磨かれて』いきますが、

それでも、発見当時には『強烈な悪臭』がするのが常です。

私自身、

実物を見た経験も、実際の匂いを嗅いだ経験もありませんが、

腸管生成物ですから、強烈な糞便臭を放つと言われています。

今のところ、『お宝』の要素はゼロですね（笑）

しかし、

その【真の価値】を知る、発展途上国の漁民らの間では、

【海に浮かぶ金塊】として、古くから崇められています。

何故、このようなものに『価値』が存在するのか？？

それは、

磨かれる過程を経ることで『独特な香り』を獲得した後、

薬、お香、精力剤等、様々な用途として重宝されるから。

最も有名なものは『シャネル：No.５』の原料ですよね。

私自身、流行を追いかける人種とは対極に位置しますが、

度外視して『シャネル５番』は、非常に好みの香りです。

この事例に限らず、

世の中に存在する全てのものは『信用創造』の原理が支配し、

『需要・供給』のバランスにより、取引価格が決定されます。

前述の通り、

【龍涎香】は大変貴重な存在でありながら、需要も高いため、

必然、発見されれば、こぞって（超）高値取引が行われます。

それが、『先日、イエメンの漁村で見つかった』と。

セエラ沖合い３０キロ、アデン湾を漂流する死骸を発見した、

一人の漁師が、強烈な悪臭を嗅いで【龍涎香】の存在を確信。

その後、

周囲のボートに協力を要請して、牽引、引き揚げを行った結果、

見事、クジラの体内から『約１２７キロ』のそれを発見します。

現物は、

既に、UAE （アラブ首長国連邦）の貿易相により買い取られて、

『約１５０万米ドル』の高値がついたことが、公表されています。

日本円換算『約１億６０００万円超』ですね。

利益は、協力者『約４０人』で均等分配したそうですから、

一人当たり取り分は、単純計算およそ『４００万円』ほど。

日本人の感覚では、ちょっとした『お小遣い』程度です（笑）

しかし、

平均年収が『８００米ドル（年間）』である事を考慮すれば、

１人あたり取り分『４万米ドル』のインパクトが分かります。

日本人（会社員）の平均年収は、２０２１年現在、

『約４万米ドル』付近を推移し続けていますよね。

これを基準値として考えると、イエメンでの効力は『５０倍』、

実に、日本人の感覚で『２億円』ずつ手にしたことになります。

【海に浮かぶ金塊】、現実味を帯びてきたでしょうか？？

発展途上国（イエメン）の貧しい漁村の漁師：約４０人は、

これを契機として、文字通り『一攫千金』を成し遂げます。

報道によると、彼ら・彼女らの生活は『一変』したのだとか。

家（マイホーム）、車、クルーザーを購入したそうですから、

その辺りの感覚は、日本人のそれとも大差が無いですね（笑）

まさに、宝くじ高額当選者の方々と『全く同じ動き』です。

しかし、

読者の皆さんも想像されている通り、彼ら・彼女らの成功は、

そう長い期間、、、、と言うか、ごく短期間しか続きません。

何故なら、

現在の、彼ら・彼女らの『行動』が端的に示している通り、

『器』を超えた量の富は、一瞬でこぼれ落ちてしまうから。