今日のテーマは、『パーティーの終焉は、いつも突然やって来る』です。
タイトルに採用した言葉を、皆さんはご存知でしょうか??
この言葉は、
『デフォルト(国家破綻)』の常連国に名を連ねる某国について、
実際に、それを体験した国民が、国家的有事を表現する為に放った言葉です。
ある程度、有名な言葉だと思うので、
耳にした事がある方も、いらっしゃるかも知れませんね。
某国では、
一生涯に複数回の『デフォルト』を経験する国民も多いですが、
その発生は、いつも『突発的』にやって来るのだとか。
象徴的な表現としては、
その前夜までは、街中で『パーティー』が行われており、
翌日、目を覚ましたら、既に『デフォルト』が決まっている、と。
本当にその状況であれば、『夢』と勘違いしてしまいますね。
記事を書いている私自身でさえ、
『現実』として受け入れるのは、時間が掛かりそうです(笑)
冒頭、もう1つだけ質問します。
皆さんは、『国家が破綻する日』という映画をご存知ですか??
韓国で作成された映画で、現代は『DEFAULT(デフォルト)』です。
TOHOシネマズようなメジャー映画館上映ではない為、認知度は低め、
大阪では『シネマート心斎橋』で上映していて、今日、観て来ました。
ネタバレする為、詳細は書きませんが、
今から20年ほど前、『アジア通貨危機』を影響を受けて発生した、
映画の製作国『韓国』のデフォルト(国家破綻)を描いた映画です。
結論、かなり良かったですね。
2019年内は上映していると思うので、
お時間ご都合つく方は、是非、映画館でご覧頂くことをお勧めします。
映画のテーマ、
『韓国』の国家デフォルトに関しては、『歴史』をご存知の方もいるでしょうが、
当時の『事の流れ』が、とても詳細に、忠実に再現されていると思います(*)。
*一応、映画の冒頭、注釈で『フィクション』とありますが、ほぼ『実話』です。
『国家デフォルト』が起こる仕組みとしては、約10年前の金融危機、
『サブプライム・ショック』と、発生の『根本的問題』は同じですね。
現在の資本主義経済は、
『信用創造』により増大し、稼働している割合、場面がとても多い為、
その微妙な『バランス』が崩れれば、一気に『崩壊』の危機に直面します。
この『信用創造』は、
国家経済運用の上でも、一種の『麻薬的な作用』を担っており、
それが『適切な倫理観』で運用されているうちは良いのですが、
大概は、人間の『欲望』により、適正水準より乖離しがちです。
今回話題にした『韓国』の事例でも、
当時、実体経済とは掛け離れて、『与信』の総合計が社会全体で増大し、
それが『顕在化』する形で、一気に『デフォルト』への道を突き進みました。
興味深いのはその際の『動向』で、
『経済ピラミッド』の最下層に位置する所から『綻び』は見え始めたのに、
時の政府は、各方面からの『韓国デフォルト論』を真っ向から否定して、一蹴。
実際は、
韓国国内から、海外投資家の資金流出が加速し続け、
『外貨準備』が底を突く寸前の状況でも、韓国経済の『堅調さ』をアピールします。
決して、『本心』からそう言っていたのではありません。
国の中枢にいる人間は、その事実を掴んでいたにも関わらず、
その情報を黙秘し、国民には、破綻直前まで知らせることは無かったのです。
また、
その状況からの解決策を探る場面では、
『IMF(国際通貨基金)』に支援要請しているにも関わらず、
国民に対しては、その事実を否定し、更に『嘘』を重ねます。
最終的に、
IMF(国際通貨基金)から『50億ドル』の支援を受けて事態収束を計りますが、
その要請を聞き入れてもらう為、辛酸を嘗める『条件』をいくつも飲まされます。
ご存知の方もいらっしゃる通り、
当時の韓国には、国民の雇用環境も欧米式に切り替えられて、
多額の海外資本が流入し、正に、国内経済を乗っ取られる状況にまで陥りました。
細かな点を言えば、
『デフォルト』を見抜いた敏腕トレーダーの主人公(?)を追った場面、
『作り込み』は数年前の『THE BIG SHORT』程ではないですが(笑)、
韓国経済の『破綻劇』と、それに関わる中枢の『人間模様』がリアルに描かれています。
私たち『日本国民』が、この映画から『学ぶこと』は大きく2つです。
①『パーティーの終焉』は、いつも突然やって来ること。
そして、
②『国家的有事』が直前に迫っても、国家の中枢にいる人間は、簡単に『嘘』をつく事。
もしかしたら、
当時の『韓国』と、現在の『日本』では、
両者の置かれた状況が全く異なる、という方もいらっしゃるかも知れません。
確かに、
『日本国』は、対GDP比で絶望的な『累計債務(国債)』を積み上げているが、
世界一の『国民保有資産』と、世界No. 1の『債権国』であるから心配ない、と。
しかし、
現在の資本主義が、全ては『信用創造』を前提として成立している事から、
『対外債権』も回収できなくなれば、ただの『不良債権』へと成り下がります。
『良い映画』の常ですが、全国的に大々的に放映される事はありませんね。
2000年直前の『韓国』が描かれたこの映画ですが、
私自身、常にドキドキし、全く『他人事(ひとごと)』には感じられませんでした。
ところで、
あなたは、突然、『パーティー』が終焉を迎えた際、
その後の『日本』でも、今まで通りの生活を続けられるでしょうか??
上記の質問に対して、
着実に『準備』を進めて、『YES』と答えられる方々は、
『極少数派』ながら、世の中には確実に存在しています。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太