今日のテーマは、『大冒険投資家語録①:子供の増えない国は、衰退する』です。
昨日の公式ブログでは、
『大冒険投資家』の異名を持つ、世界トップクラスの大富豪、
『ジム・ロジャーズ氏』についてご紹介しました。
記事の中でもお伝えしましたが、
このクラスの方々になると、もはや『一投資家』という域を超えて、
人生に対する考え方自体に、明確な『軸』を持つ『偉人』です。
その証拠に、
彼の場合、その『投資手法』に関するものではなく、
彼の『考え方』そのものが書籍として、活字化されて発行されることが多い。
この辺り、
同じく『世界No. 1投資家』として賞賛されている、
オマハの賢人、『ウォーレン・バフェット氏』と同じですね。
折角、
昨日の公式ブログでジム・ロジャーズ氏を取り上げたので、
ここから数日間は少しだけ、彼の『語録』を紐解いてみようと思います。
その第一弾としてご紹介するのが、今日のタイトルの言葉。
『子供が増えない国は、ただ、衰退するだけ。』
いつも情報発信させて頂いていますが、
日本は、直近の『50年間』、歴史上最も急速に繁栄する時期を過ごしてきました。
少し考えてみると、
『ポツダム宣言』を受諾して、無条件降伏・完全敗戦したのが、
西暦1945年、今から『75年』程しか経過していない時のことです。
私の誕生が1984年。
未だ、
終戦から『40年』も経たないうちに日本に生まれた訳ですが、
その時既に、この国は『経済大国』へと上り詰めていました。
実際、
生まれてから来月で『35年』が経過しますが、
今まで、『物資不足』『貧困』で困った経験は有りません。
いつの間にか、
私たちの中には、そういったものに対する『不安感』さえ、
想像・想定すらしなくなっているという現実が有ります。
これは、世界的に見ても稀で、実はとても凄いことです。
『個』の力では劣っていても、『組織力』で世界と戦って来た、
その過程で築かれた日本の『定期昇給・終身雇用』等の制度は、
世界をリードする理想郷のように見られる時も有りました。
また、
健康保険・国民年金で成り立つ『国民皆保険制度』は、
2019年現在においても、世界でも稀に見る社会保障制度として存在し続けています。
が、それも、あと数年のことです。
ジム・ロジャーズ氏の『語録』に戻ると、
子供の増加が止まってしまったこの国で、
今後も、それらが維持される可能性は有りません。
こちらも、
小難しい方程式を解くまでも無く、単純な理屈で、
『社会保障制度』の受給者サイドは高齢者に偏っており、
保険料を納入している現役世代が継続的に減少する事で、
その収支バランスが『歳出過剰』の状態に陥るからです。
単純に、『加法・減法』の話です。
また、
『社会保障制度』という観点以外の面においても、
子供が減少し、継続的に現役世代が減少し続ける国においては、
GDP(国内総生産)も比例的に減少していく事が考えられます。
一概に、
それが『国家衰退』に繋がる訳では有りませんが、
やはり、国際的な『プレゼンス』低下は避けられないのが実際のところです。
また話を戻すと、
『子供の減少(長期視点では人口減少)』に対する対応策として、
考えられる解決方法は、シンプルに『2つ』だけです。
1つは、現状の反対で、『子供を増やす』こと。
そして、
もう1つは、上記の方法が叶わないのだとしたら、
日本から見て海外諸国から、『移民』を受け入れていくことです。
しかし、
一見、シンプルに見えるこの方法も、
現実世界で行おうとすると、それほど単純な問題では無くなります。
前者に関しては、『具体的にどうすれば??』という問いに、
明確な回答が出来る人は、世界中どこにも存在しないと思います。
また、
後者は、『島国』として数千年間、独自文明を築いてきた、
『日本』という国家に受け入れられるイメージが全く湧きません。
これに対して、
現在、日本政府は『1億総活躍時代』と銘打って、
『定年退職』という固定概念を根底から覆し(?)、
『生涯現役』を全国民に強いることで乗り切ろうとしています。
しかし、
これは、体調を崩した際の『対症療法』と同じことで、
根本的な解決は何もしておらず、『根治療法』では決して有りません。
これからの日本が困るのは、
『少子高齢化』により『労働力減少』が深刻化することでは無く、
『年代別人口ピラミッド』の構成が『歪』になることから始まる、
『社会保障制度』の長期的な収支バランスの悪化だからです。
もしも、
『1億総活躍時代』の真意が、『生涯現役』を貫かせる事で、
『社会保障制度』の給付を(大幅に)減少させていく狙いがあるなら納得です。
しかし、
そんな事を表立って打ち出せば、必ず選挙には負けますから、
『自分ファースト』を掲げる議員の方々が、それを積極的に押し進めるとは考えられない。
結果、
こちらも案の定『場渡り的な政策』な政策が繰り返されることになり、
最終的に、誰かが『ババ』を引かざるを得ない状況になるまで続きます。
『1億総活躍時代』の実現により、
現在、『日本』という国が抱える問題は、解決していくのか??
残念ながら、答えは『NO』です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太