『第2のオプジーボ』に、日本の財政は耐えられるのか??

今日のテーマは、『第2のオプジーボに、日本の財政は耐えられるのか??』です。

 

 

約2ヶ月ほど前、私が会社員時代に所属した製薬業界で、

その動向如何で大きなインパクトを与える、ある話題がありました。

 

 

その時、

 

 

『公式ブログのネタにしよう』と考えていたのですが、

流れに流れて、今日まで『温存』してきてしまいました(笑)

 

 

早速、本題に入りますね。

 

 

スイスの製薬大手ノバルティス・ファーマが研究開発し、

世界で販売される新型がん免疫薬『キムリア』について、

厚労省が、日本での製造販売を承認したという報道です。

 

 

2月20日、もう2ヶ月も前の事です。

 

 

この薬剤自体、新たな免疫療法『CAR-T(カーティ)細胞』を用いる事で、

従来治療より、白血病等に対して『効果が非常に高い』と言われています。

 

 

しかし、

 

 

業界の内外で注目を集めたのは、その薬剤に付けられる薬価で、

莫大な研究開発費がかかっているこの『バイオ新薬』について、

米国では『投与1回:約5200万円』もの値が付いています。

 

 

『投与1回:約5200万円』です。

 

 

決して、私のタイプミスでは有りません。

 

 

完全に、2度見、3度見レベルの薬価ですよね。

 

 

普段の個人面談の際にも、

 

 

『日本の高額療養費制度は手厚い保障なので、、、、』と話す場面が有りますが、

その『手厚い制度』を以ってしても、『月60万円』に迫る自己負担になります。

 

 

*標準報酬月額28万円~50万円 / 報酬月額27万円以上~51万5千円未満の場合、

 『80,100円+(総医療費-267,000円)×1%』の計算式で算出されます。

 

 

『月額60万円』、一般的に考えて、少ない金額じゃないですよね。

 

 

確かに、

 

 

私自身、実際に、父親を癌で亡くしているので、

『治療(命を救う)には、いくらお金が掛かっても構わない!』と思う気持ちは分かります。

 

 

しかし、

 

 

現実問題として、『経済事情』を度外視し続けることは決して出来ず、

リアルな現場では、そのバランスを取りながら治療を進めていく事になります。

 

 

*決して間違って伝わって欲しくないのは、だからと言って、

 保険会社各社から販売される『がん保険』に入ろうという話では無いです。

 

 

*『無駄な保険』に加入しない事が『資産形成』の第一義であり、

 それらの保険契約を進める事は、経済基盤を築くことから遠去かります。

 

 

とは言え、

 

 

製薬企業もボランティア集団では有りませんから、

莫大な研究開発費を掛けて開発したバイオ新薬を、

資金回収することなく提供していく事も、確実に違う。

 

 

彼らの肩を持つ訳では無いですが、

 

 

企業としてしっかりと『利益』を上げる事で、現存製品の生産・流通も安定し、

その後、『新たな治療薬』についても、研究・開発を継続出来ると考えます。

 

 

『理想』と『現実』の間で、解決できない問題は存在しますね。

 

 

そして、

 

 

今回、『薬価』に注目が集まったのは、患者さん・ご家族の自己負担もそうですが、

それを支える、日本国の『健康保険制度』の持続性をも脅かす話題だったからです。

 

 

以前も、

 

 

免疫チェックポイント阻害薬『オプジーボ』という薬剤が上市された際、

『約3800万円』と言われる年間薬価が、大きな話題を集めました。

 

 

『オプジーボ』自体、

 

 

対象疾患について、極めて高い治療効果を発揮したのは事実ですが、

年間5万人に使用したら、『1兆7500億円』もの莫大な費用負担になります。

 

 

1薬剤だけで、『1兆7500億円』なので驚愕です。

 

 

日本の『一般会計予算』が、現時点で『年間約100兆円』ですから、

一医療費・一薬剤だけで、全体の2%に占める国費負担を強いる計算です。

 

 

*前述『高額療養費制度』を超えて発生した医療費は、現在、国が負担します。

 

 

その後、

 

 

流石に『国家財政を揺るがしかねない』との事で、薬価は順次減額されましたが、

それでも、現在でも『1人当たり:年間1000万円超』の価格を付けています。

 

 

まだまだ、『議論の余地が有る』というのが、実際の所でしょうか。

 

 

『キムリア』に話を戻すと、

 

 

当初の適応は『一部の血液がん』に限定される為、厚労省では、

対象患者数はピーク時でも『年間250人』程に限定されると推定しています。

 

 

なので、

 

 

もし仮に、米国並みの『5000万円超』の薬価が付けられたとしても、

『オプジーボ』の時ほど、大きなインパクトを与えるものでは有りません。

 

 

ただし、

 

 

この『バイオ新薬=超高額=保険適応』の流れが常態化してしまえば、

今後、『日本の財政』自体が、致命傷を負わされる事へと発展します。

 

 

実際、

 

 

既に、海外で製造販売が承認されている超高額薬剤としては、

『リンパ腫治療薬:イエスカルタ』『網膜疾患治療薬:ラクスターナ』等が有ります。

 

 

これらの薬剤に付けられた薬価を、知っていますか??

 

 

前者『イエスカルタ』は、キムリア同等の『約4200万円』、

後者『ラクスターナ』に至っては、『約9700万円』と、大台に迫る勢いです。

 

 

この世界でも、これまでの時代の『常識』を、最近は超越して来ましたね。

 

 

もう、訳が分からない金額です。

 

 

もし、これらの薬剤が同等の薬価で製造販売承認されるような事があれば、

日本の『健康保険制度』『公的医療』を見直すターニングポイントが来ています。

 

 

実際、

 

 

既に、国内承認を終えている英国においては、『イエスカルタ』は、

その価格が『超高額』である事を理由に、『公的医療』の対象から外れています。

 

 

現実問題としては、『致し方無し』というのが本音です。

 

 

『国民一律の公的医療制度』の存在は素晴らしいものですが、

その存続に固執するあまり、『国家財政』が破綻したら、洒落になりません。

 

 

『理想』と『現実』の間でバランスを上手く取りながら、

『現行ルール』を見直すべきポイントが、現在、来ているのだと考えます。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
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