今日のテーマは、『虚像であっても、米国が覇権国たる所以』です。
2017年1月、
『絶対に誕生しない!』と言われていた『トランプ政権』が発足して、
早いもので、今月(2020年1月20日)で『3年』を迎えました。
当時、
米国内の老若男女に対して、高い『支持率』をキープし、
絶大なる人気を博したヒラリー・クリントンさんの敗戦は、衝撃でしたよね。
もしかしたら、私が、今申し上げるまで、
『対抗馬』の名前も忘れていた方もいらっしゃると思います(笑)
月日の流れは早く、人間の記憶力も儚いものです。
発足当初(?)、
様々な方面から『心配・懸念』の声が寄せられたトランプ大統領ですが、
本来の『事業家』の力を遺憾なく発揮し、『強い米国』を取り戻しつつあります。
実際、
発足からの3年間で、米国内の『雇用』は、
実に、累計『700万人』も増加しました。
また、
常時『5%台』を標準値として推移していた『失業率』は、
直近発表された『雇用統計』では、『3.5%』にまで低下しています。
この数字、米国としては『50年ぶり』の超低水準です。
更に、
今年(2020年)の経済成長率についても『2%台』をキープし、
世界トップクラスの『先進国』としては、高水準を維持しています。
昨年(2019年)には、
FRB(米連邦準備理事会)による3回の『利下げ』も断行されて、
『高揚感』が漂い続ける市場においても、その失速懸念は和らぎ、
『楽観ムード』が継続しています。
この状況を『追い風』に、
米国内・有権者の『51%』が、トランプ政権の経済政策を支持し、
今後についても、『雇用』は堅調に増加するとの見方が強まります。
早いもので、
2期目再選を目指す『大統領選』が、11月に迫っていますが、
前述の内容を考慮すると、一見、『盤石』のように見えますね。
しかし、
私が、このような文章の書き進め方をするという事は、
『実情は、決してそうではない』ということです(笑)
『懸念材料』としては、どのようなものがあるのでしょうか??
その1つは、
恒常的に存在する『経済格差』で、富裕層優遇政策を優先した結果、
トランプ政権発足以来の3年間、『所得上昇率』については、
上位5%高所得層『6%』に対し、低所得層『2%』に留まります。
また、
直近2年間で、住宅価格も『7%程』上昇しており、
漸増ながらも、低所得者層には、手が届かない価格に到達しました。
他にも、
トランプ大統領といえば『米国第一』を推し進めた印象が強いですが、
極端に『移民』を制限した結果、国内の起業率はじりじりと低下しています。
一説によると、
米国内の『起業家・事業家』に占める『移民』の割合は、
実に4分の1超、『28%』に上るという話もあります。
短期的に、
『(生粋の)米国人』を保護する政策をとってしまった結果、
『金の卵を生む鶏』を、米国内から減少させてしまったようですね。
とても、皮肉な話です。
実は、『皮肉』な話には続きがあり、
昨年(2019年)、世界を波乱に巻き込んだ『米中貿易戦争』ですが、
米国経済の『回復』を目的としたこのプレッシャー(圧力)も、
想定以上に長引く事により、国内産業の『減速』を招いてしまいました。
実際、
米国・中西部の『雇用』は、この期間に限り『減少』に転じています。
『周知の事実』ですが、
何度も『覇権国』と繰り返している『米国』の実情は、
『日本国』以上に返済不能な債務を抱えた、世界一の『借金大国』です。
2019年、
米国における、財政赤字は『年間1兆米ドル(約110兆円)』に迫り、
『壊滅的な数字』としてご紹介する日本国の『2倍以上』にも上ります。
2025年、米国連邦政府の債務は、
利払い費だけで『7200億米ドル(約80兆円)』を超えると言われており、
この数字は、間違いなく『世界一』を誇る、同国の『国防費』をも上回ります。
このように、
正に、日本以上に『天文学的』な数字の債務を抱えているにも関わらず、
『米国』は、日本のように『国家破綻』のリスクには晒されていません。
これには、どのような『カラクリ』があるのでしょうか??
悲しい哉、
世界一の『借金体質』を極め続けて、改善の兆しすらない『米国』ですが、
彼ら・彼女らの『借金』を支えるのは、『日本』を始めとした『大戦敗戦国』です。
詳しい話は他に譲りますが、
第二次世界大戦から立ち直る過程で、世界の国々は、
『勝利国』と『敗戦国』の2グループに明確に分けられ、
国境を超えた『徴税スキーム』が確立してしまいました。
先程、
昨年激化した『米中貿易戦争』の話題を取り上げましたが、
圧倒的劣勢にも関わらず、米国が喧嘩を仕掛けられるのは、
『基軸通貨:米ドル』という『無限印刷機』を持つからです。
もし仮に、
このような場面で、米国が、一時的に『敗戦』したとしても、
最終兵器『無限ファイナンス』を発動すれば、万事解決です。
未来永劫、
存在し続けるものは『無い』と考えますが、それでも、
暫くの間、『米国』が覇権国の座を譲ることは無さそうです。
元も子もない話ですが、その『事実』も知っておいた方が良いと思います。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太