今日のテーマは、『AIの進化で最も仕事が失われる国で考えること』です。
『AI(人工知能)』の技術発達で、
既存の『仕事』『労働』が失われると言われるようになって久しいですね。
一説には、
これからの『10年間』の間に、
既存の『仕事』は約半分が無くなるか、『人』の介在が失われると言われています。
『言葉』としては、頭では理解出来るような気がしますが、
なかなか、『現実問題』『自分事』としては実感しにくいですよね。
世の中の多くの方々も、
『オリジナリティ』が無い仕事をしているにも関わらず、
『どうにかなるでしょ?』『自分だけは大丈夫な気がする』と考えている方も多いと思います。
先日も、
新たな『Wi-Fi』契約のため、大阪中心部の家電量販店を訪れましたが、
個人的には、『過剰人員』に見えた販売スタッフの方に質問してみました。
『今後、AI等の発達により、仕事が失われる危機感はありますか??』
店員さんの『答え』は、次のようなものです。
『いや、大丈夫だと思います。』『私たちの業界は、無くならないでしょう。』
年齢を聞くと『31歳』という事でしたが、彼の前途が多難と予想するのは、
私はもちろん、公式ブログ読者の皆さんも同様では無いでしょうか??
例えば、小学校時代の『クラス』を考えてみましょう。
教室全体には『40人』の生徒がいて、その中から、
誰もやりたがらないマイナーな『委員』を1人選ばないといけないとしましょう。
この時、私も含めて、人間は自分に都合が良いように解釈し、
『自分は、マイナー委員に当たらないだろう』と高を括ります。
『40人のクラスで1人だけ。』
『39人が選ばれない側の人間だから、自分も大丈夫だろう』、と。
確かに、
この生起確率は『2.5%』なので、それほど高くなく(?)、
自身が『マイナー委員』に選ばれる可能性は、低いのかも知れません。
しかし、
実際は、この該当者が『20人』となり、生起確率が『50%』となっても、
自分は都合よく『選ばれない半分のグループに入る』と考えてしまうものなのです。
その「楽天性』は天才的だと思うのですが、
もし、その人が何の努力・対策もせず、
『運』を完全に『天』に任せるのだとしたら、『愚か』と表現せざるを得ません。
ある識者の意見によると、
これから世界を取り巻く『AI(人工知能)』の発達により、
その『影響(人が仕事を失う)』を最も受けるのが、私たちが生活する『日本』だと言います。
その理由は、皆さん、何故だかわかりますか??
『リアル』な場面でこの質問をさせて頂いた方々からは、
『AIの技術革新が、最も日本で進むからですか??』という意見も出ました。
確かに、
かつて、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』で世界を席巻した歴史を振り返れば、
日本の技術力が世界一に返り咲き、AI分野で再び脚光を浴びるかも知れませんね。
ただし、残念ながら、その回答は『ポジティブ』なものではありません。
その識者曰く、次のような事実が『最大の理由』です。
『日本の労働者は、単純労働をしているにも関わらず、
その単純労働者に対して支払われる賃金が、世界基準と比較して高過ぎる。』
この言葉の意味を、理解されているでしょうか??
だいぶ分かりやすく表現されていると思いますが、言葉を変えると次の通りです。
日本の労働者は、厳密な意味で『価値創出』していないにも関わらず、
摩訶不思議なことに、世界基準と比して『人件費』だけが馬鹿デカい。
または、
自らが生み出している『価値』を超えて、
従業員に『人件費』を支払わないといけない、アンビリーバブルな『ガラパゴス国家』。
これ、正直言って、『会社員』の方々は真意がわからないと思います。
ただ、『会社経営』や自ら『ビジネス』している事業家の方々からしたら、
事業でも人材でも、『不採算部門』の存在は死活問題に直結するんです。
例え、ある一事業で大きな『利益』を得ている企業があったとしても、
他の分野で『赤字垂れ流し』状態を、快く思う経営者は存在しません。
そうなった時、
事業でも人材でも、『不採算部門』を早期整理することは急務課題で、
それが、これから将来10年間で、世界で最も進むのが『日本』という国なのです。
今朝の報道で、『東芝』が今後5年間で7000人の人員整理をすると発表がありました。
グループ在籍者員全体から考えて、『約5%』に該当する人数ですね。
『20人に1人』、これは、東芝社員において『他人事』なのでしょうか??
実際には、『定年退職』に伴う自然減を中心に進めるようですが、
それ以外にも、希望退職で『年間1000人』の離職を予測するようです。
また、
同社にとっては兼ねてより『悩みの種』として存在し続けた、
『LNG(液化天然ガス)事業』も、ここに来てようやく手放すようですね。
これらの『変化』に伴い、総勢『7000人』を捻出していくのだと考えます。
残念なことは、社会に排出された『7000人』の方々が、
自ら『価値創出」できる人間だとは、到底イメージすることが出来ない事です。
*決して間違って伝わって欲しくないのは、東芝批判ではないという事です。
むしろ、私の視点は経営者目線なので、上記とは正反対の意見になります。
今後の日本では、形式は様々違いはあれど、
既存の『ルーティン』の仕事をしている方々の雇用が、どんどん失われていきます。
更に、
幸いにも(?)『雇用』は守られたとしても、
『価値創出』に対する『人件費』の支払い基準はより厳格さを増し、
これまでと同じ働き方をしていたら、収入は減少していく一方です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太