今日のテーマは、『必然的に起こりうる統計値誤差ドミノ』です。
昨日の公式ブログでは、
『肌感覚で感じていた、統計調査とリアルのズレ』と題して、
日本経済の現在地を揺るがし得る『統計値のズレ』の話をしました。
要点だけ言えば、
日本政府が調査を進める『所得関連統計』において、
その算出方法が(秘密裏に)今年初めから変更されてしまっていた、と。
これにより、
現在の日本社会の実態よりも、
『現金給与総額』の前年比増加率が過度に改善されたデータが出てしまっていた、と。
昨日の振り返りですが、
『事業所群』の対象となる企業を(約半数)入れ替えることにより、
対象事業所群としての『現金給与総額』を嵩上げしたと考えられています。
もちろん、
政府は、この変更に対して『故意ではない』としていますが、
『では、何故、その変更を行ったのか??』は、明らかにされていません。
世間の方々がこの統計値に注視していたかは分かりませんが、
日本経済が確実に上昇していることを示す為、『ハリボテ戦略』が採られていた訳です。
話は少し脱線しますが、
今日、流行に遅ればせながら『海賊と呼ばれた男』を読破しました。
数年前に話題となり、映画化もされた大ベストセラーで、
日本の『石油産業』の独立・繁栄をもたらした『国岡鐡造』の物語です。
私自身が小説を購入したわけではなく、
現在、シンガポールで働いている妻が、仕事上お世話になる方(日本人)に、
『(日本人として)これは読んでおいた方が良いよ』と渡されたものです。
それが、
妻にはあまり関心を惹く内容ではなかったらしく(笑)、
前回、一時的に帰国した際、私の元にやって来たのでした。
読破された方はわかるでしょうが、
『最初の1ページ』、いや、『最初の一行』を読んでしまった時点で、のめり込みますね。
文庫版は上下巻合わせて900ページに及ぶ大作ですが、
本当に、『眠れない』ほどのめり込み、一気に読破してしまいました。
主人公の『国岡鐡造』自身は明治18年の生まれですが、
明治・大正・昭和と、『世界第二次大戦』から『戦後復興』まで、
正に、日本が『大激動』する時代を生き抜いた伝説の人物です。
日本の『石油業界』が自らの利権を独占する為、組織化することに反対し、
『消費者』に真の利益が渡るよう、『石油市場の自由化』に奔走した人物。
そして、
大戦に敗れて弱体化した日本経済を、
食い潰すが如く侵入した欧米諸国の『石油メジャー』に対しても、
屈さず、臆さず、人生を懸けて戦い続けてきた立派な人物です。
加えて、
『国岡鐡造』の出身校が『神戸高等商業学校』だったことも、強い親近感を覚えました。
そう、私自身の出身校でもある、現在の『国立神戸大学』です。
『東京高商(一橋大学)』『大阪高商(大阪市立大学)』と並んで、
日本の『三商大』と呼ばれる、由緒ある、名門大学です。
自身の出身大学に、日本経済に大きく影響を及ぼした人物がいるのは、
『こんなにも誇らしいことなのか』と、人生で初めて感じる事が出来ました。
何故、『海賊と呼ばれた男』の話を取り上げたかと言うと、
読み進めていく過程で、現在と共通して感じる事があったからです。
『国岡鐵造』自身は、自らや自社の利益以上に、
常に『国益』を最優先して、この国の行く末を考えながら行動を取りました。
が、
彼のその崇高な行動を阻んだのは、国内外問わず、
常に、その『巨大利権』にぶら下がり、それを手放そうとしない人間たちでした。
具体的には、
『石油業界』の安泰を守る為に創設された、各時代毎の業界団体然り、
その業界団体から『甘い蜜』を得ている政治家の方々であったり。
読んでいて、途中から心底うんざりしてくるのですが、
100年以上も昔から、そして、戦中戦後の動乱期でさえ、
日本には『既得権益』を守る為、巨大組織化して影響力を増し、
自らの利益を最大化しようという人物が溢れ返っていました。
そして、
残念ながら、それは2018年の今現在も、ほとんど『変化』していないと思うのです。
確かに、
これは『日本』という国に限った話ではなく、
海外諸国でも『利権絡み』の『不都合な真実』は多々あると考えます。
(むしろ、独裁国家・軍事国家よりは数段マシです。)
なので、
いくら批判したところで、こういった類の話はなくならず、
『日本』においても、今後も永遠に続いていくものだと容易に推測されます。
仮に、
近い将来、『財政破綻』という形かどうかはわかりませんが、
日本経済に『有事』が起こったとしても、国民大多数の生活が給すると同時に、
それを並行して『利権戦争』を繰り広げ、私腹を肥やす人物は必ず居るのです。
話を戻すと、
昨日の記事でご紹介したのは『所得関連統計』に関するズレでしたが、
この値を元に算出している『雇用者報酬』も過大推計されている可能性が出てきました。
正に、必然的に発生した、『統計値誤差ドミノ』ですね。
『雇用者報酬』の今年に入ってからの前年同期比は、
2018年『1月-3月期:+3.1%』『4月-6月期:+4.1%』と高率で推移。
いずれも、
昨年である『2017年平均:1.9%』を大きく上回り、
前者は20年以上昔の1997年来、後者は統計スタート以来最高値という結果です。
これに対して、
エコノミストや専門家からは批判が出ているものの、政府見解は、
『統計は、統計委員会の専門家の議論を踏まえて適切に対応している』と示されています。
加えて、
『統計の精度を向上させる観点から(今回議論になっている)変更を行った。
比較可能な数字を参考として公表している(ので適切なデータである)。』、とも。
繰り返しになりますが、日本国のこの『体質』は変わりません。
常々書かせて頂いている事ですが、
国民一人一人が賢くなり、『国家』に依存し過ぎる事なく、
自ら『主体性』を持って人生を生きていく事が大切だと考えます。
『自ら主体性を持ち、資産形成していきたい!』という方に最適なセミナーを、
来月は神戸・三ノ宮9月19日(水)、大阪・梅田9月26日(水)に開催致します。
■2018年9月19日(水)開催!将来のお金の不安が2時間で消えるセミナーin神戸・三ノ宮■
****セミナーご案内ページはこちらをクリックください****
*2018年6月から、神戸・三ノ宮でのセミナーもスタートしました!
■2018年9月26日(水)開催!将来のお金の不安が2時間で消えるセミナーin大阪・梅田■
****セミナーご案内ページはこちらをクリックください****
『具体的なアクション』を起こすことでのみ、
人生は、本当に好転していくものだと思います。
ぜひ勇気を持って、新たな一歩を踏み出してみてください。
皆さんに直接お会い出来るのを楽しみにしております。
セミナーを受講する間でもなく、
『今すぐ、具体的に資産形成をスタートしたい!』という方は、
ぜひ勇気を持って『お金のセッション』を受講してみてください。
****プライベートセッションご案内はこちらをクリック****
****『お金のセッション』ご予約はこちらをクリック****
井上耕太事務所
代表 井上耕太