日本市場で繰り返される『イカサマ』。

今日のテーマは、『日本市場で繰り返されるイカサマ』です。

 

 

その国の経済状況を推し量る指標は、いくつかあります。

 

 

『通貨価値』もその1つだと思いますし、

株式市場全体の『平均値』であったり、『出来高』等も考えられますよね。

 

 

自由に、効率化された市場で、それらが流動性持って取引されるなら、

そこに現れてくる『数字』『値』は、実態を表す1つの指標になります。

 

 

それでも、

 

 

市場の『流動性』『自由な取引』だけに一任していたら、

経済全体は適正に動くのかと言えば、実際はそうではありません。

 

 

『既得権益』等の絡みもあるかも知れませんが、

歴史的な経済学者たちは、『中央政府存在の必要性』を常々説いています。

 

 

要は、

 

 

市場の自由取引だけに任せるのでは無く、見えざる手(?)の介入が必要だ、と。

 

 

『群集心理』だけに一任した経済システムは『リスク』を伴い、

適切に、客観性持ってコントロールできる人間の介入が必要だ、と。

 

 

私自身、これは1つの真理だと思います。

 

 

『経済』という分野だけでなく、日常のあらゆる物事においても、

『リーダー』が適切な道を示すから、全体として統率が取れる。

 

 

これが、

 

 

個々人の判断・決断に任せてバラバラに行動していては、

『エントロピー増大の原則』が適用されて、分散が進行していくのみです。

 

 

話を戻すと、

 

 

私自身、一国の経済を適切にコントロールする為には、

『中央政府』の適切な介入は必要だという意見に賛成です。

 

 

しかし、

 

 

これが『適切』のレベルを超えると、話が違ってきます。

 

 

例えば、

 

 

現在、日本国ではその経済状態をマスキングする為、

『国債取引』に関する『イカサマ』が繰り返されています。

 

 

理解されている方も多々いらっしゃるでしょうが、

『国債』というのは、国家が歳出を賄う為に行う『借金』です。

 

 

(*これは個人レベルでも同じ話ですが、)

その借金をする母体となる人物・国家に『信用』があれば、

同額を借りる場合でも、『利率』は低く抑えられて調達ができます。

 

 

さらに、

 

 

購入したサイドから見れば『利息』が手に入りますから、

『信用』が高い『債権』というものは購入希望者が殺到します。

 

 

そうすると、

 

 

『需要』が『供給』を上回ったものは価格が上昇し、

その市場の動きと相関して『利回り』はさらに低く抑えれられます。

 

 

その後、

 

 

学生時代に習った『需要・供給曲線』で適切に作用すれば、

市場の自由取引で『適正価格』へと落ち着いていく形になります。

 

 

ここまで、OKですよね。

 

 

各国が発行する『国債』は、

 

 

世界的格付け会社により『信用ランク』が割り付けられていて、

それが高い代表的な国は、英国、カナダ、ドイツ、フランスといった国々でしょうか。

 

 

*完全に余談ですが、数年前、米国債の格付けが『AA』になった際は、一時的に大問題になりました。

 

 

上記の国々は『信用力』が高い為、必然、償還リスクも低く、

前述の考え方を当てはめると、『利回り』は低く抑えられています。

 

 

『返済される可能性が極限に高い債権』なので、

『利息』はそれほど取らなくても、融資して大丈夫ですよね。

 

 

ただし、

 

 

ここからが不可解な話なのですが、上記の国々より『信用リスク』があるにも関わらず、

現時点の『日本国債』の利回りは、これらより低くコントロールされているのです。

 

 

実際、『10年新発国債』の利回りを、皆さんご存知ですか??

 

 

約2年前は『異次元』の出来事が起こっていて、

その利回りは『マイナス』領域にまで突入していました。

 

 

流石に、

 

 

現在は『プラス領域』まで戻ってきましたが、

最近では、『0.040%』前後をウロウロしている程度でした。

 

 

『10年間』という期間、国家に『お金』を融資しておいて、

受け取れるリターンが上記に値(年率0.040%)です。

 

 

この条件で取引に応じる人は限られていて、

下記のいくつかのパターンに分けられると思います。

 

 

①『日本円』という通貨価値が上昇し、表面的な利回り以上のリターンが望めると考える人。

 

 

②『日本国債』の利回りが、どこかのタイミングで増大すると考える人。

 

 

③単純に、『マゾ』。インフレで資産価値が失われることに、快感を感じる。

 

 

共通するのは、いずれも『少数派』ということです。

 

 

では、

 

 

なぜ購入希望者(と考えられる人達)が少数派にも関わらず、

日本国債の『利回り』は低くコントロールされているのでしょうか??

 

 

それは、

 

 

一旦、市場(主に市中金融機関)に引き渡された『国債』を、

最終的には中央銀行である『日銀』が買い支えるという奥義を使っているからです。

 

 

最終的に、中央銀行が購入してくれるのであれば、

市場も国債を大量に引き受けることが出来ますし、必然、利回りも低くなります。

 

 

これは、

 

 

直接取引すれば『財政ファイナンス』という法律違反になりますが、

日本国政府は、現在、それスレスレの事を実行しているのです。

 

 

大体、

 

 

既に、地方債合わせて総額『1300兆円』を超える債務を抱える国が、

『新たな借金』をしようとして、受け入れられるはずがありません。

 

 

『適正な市場』で取引されれば、それ相応の『利回り』に落ち着き、

その数字が明るみに出てしまうと、日本の経済実態が露呈してしまいます。

 

 

それは何としてでも避けたいので、

常に、その動向を注視しながら、コントロールし続けているのです。

 

 

まさに今日、それが伺い知れる場面もありました。

 

 

日本国債の利回りが急上昇した(0.090%程度)場面で、

日銀が『指し値オペ』と言われる、実質『国債無制限買入れ宣言』を発動したのです。

 

 

午前11時過ぎごろ、ネットニュースでも出ていましたよね。

 

 

日本国債のデフォルトリスクが顕在化するとき、

それは、取引額が急落する事で起こる、利回り急上昇がサインになるので、

その『予兆』となりそうな動きは、政府も神経を尖らせているのです。

 

 

このように、

 

 

必死に『マスキング』していますが、これは対症療法に過ぎず、

これを繰り返したとしても、根本的な問題解決には至りません。

 

 

その場しのぎで『平静』を装っていますが、

日本経済が抱える問題の『警鐘』は、少しずつ聞こえ始めているのです。

 

 

経済動向、少しずつ興味を持ってウォッチしていきましょう。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
・個人面談【人生を変えるお金のセッション】受講者は400組を超えており(*2022年4月時点)、活動拠点・大阪のみならず、全国から面談依頼が舞い込む。

【クライアント】
・経営者、医療従事者(医師、看護師、薬剤師 etc.)、会社員(上場企業勤務、若しくは、年収500万円以上)

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