今日のテーマは、『介護保険給付10兆円突破、システムは維持できるのか??』です。
8月10日に開幕した全国高校野球選手権ですが、
梅雨以上となる雨に見舞われて、全く進みません。
本日8月18日も、過去最長となる6日目の順延。
明日8月19日も、西宮エリアの雲行きは怪しく、
冷静に考えて『通常開催』するのは厳しそうです。
例年、この時期は仕事より高校野球を優先する為、
真夏の2週間程、バカンス気分で過ごしています。
ただ、
前述の通り、甲子園大会が全く開催されないので、
例年と違い、『現実世界』で生活し続けています。
久しぶりに、独立系FPらしい記事を書きます(笑)
いつも話題にしている、『社会保障分野』ですね。
直近1ヶ月、『東京五輪』の強行開催もあった為、
日本全体として、『お祭りムード』がありました。
しかし、
永遠に『ネバー・ランド』での生活は継続出来ず、
『お祭り』が終焉すれば『現実』が戻って来ます。
それを象徴するかのような報道が、為されました。
『介護保険給付10兆円時代突入、膨張止まらず』
ご存知の通り、
40歳以上が保険料負担する『介護保険』ですが、
対象者への給付増加スピードが全く止まりません。
いや、
『止まりません』という表現は、正確ではなくて、
『増加スピードは、年々増している』方が正しい。
システムとしては、
要介護認定された方が、介護サービスを受けると、
所得等に応じて、1〜3割自己負担が発生します。
そして、
残額(7〜9割)の半分は『公費』により賄って、
もう半分を40歳以上が負担するという制度です。
厚労省公表データでは、
2020年度給付額は『10兆2260億円』で、
制度開始から20年間で、初めて大台突破します。
制度発足当初、
2000年度の給付額は『3兆2400億円』で、
実に、20年間で『3倍』に膨張したことになる。
前述の通り、
一定割合、該当者が自己負担は強いられるものの、
その殆どは、『公費』と『現役世代』による負担。
つまり、
年間給付額が『3倍』に膨張しているという事は、
少なからず『介護保険料』も増大しているのです。
勿論、
日本政府も、指を咥えて静観しているだけでなく、
『対症療法』的な対策は、順次、実行しています。
例えば、
今月(2021年8月)から高所得者については、
月額負担上限を『14万100円』まで引き上げ。
以前は、
自己負担上限は月額で『4万円』程度でしたから、
こちらも、一気に『3倍超』引き上げた形式です。
*今月からの自己負担上限額は3段階に分けられ、
現行4万4400円と上限14万100円の他、
『9万3000円』の基準も設定されています。
しかし、
上限該当者の年収基準は『約770万円』であり、
65歳以上の給付対象者の中で、圧倒的な少数派。
また、
ショート・ステイの食費負担等も増額されますが、
給付抑制効果としては『焼け石に水』の状況です。
『全く』と表現して良いほど、効果は無いですね。
それを証明するように、
介護給付は、今後も増加する事が予想されており、
高齢化の進展に伴い、スピードも更に加速します。
2025年度、
団塊の世代が後期高齢者を迎える『元年』ですが、
その給付額は『15兆円』を突破すると言われる。
僅か5年間で『1.5倍』と、驚異的なペースです。
原則として、
介護保険の給付対象は65歳以上の高齢者ですが、
解決策の1つは、該当者の自己負担を増やすこと。
しかし、
『根本解決』に至る改革の断行は『痛み』を伴い、
それは、選挙戦での『不利な戦い』を意味します。
ただでさえ、
溥儀が如く『操り人形』と化した現行日本首相は、
歴史的にも、驚異的な低支持率を記録しています。
とてもじゃないですが有権者(高齢者)に対して、
これ以上、神経を逆撫ですることは出来ませんね。
つまり、
制度維持には、別の解決策を模索する必要があり、
考えられる選択肢は、『介護保険料』の増額です。
私自身、未だ、保険料負担は発生していませんが、
数年後、スタートすることを考えると憂鬱ですね。
ただ、
これ(保険料増額)も限界に近いとの見方もあり、
中長期的に、漸増作戦が通用するのか大いに疑問。
実際、
介護保険料の全国平均は『6000円』を突破し、
自治体によっては最高『月額1万円』に迫ります。
2021年、
凡ゆる事象に対して、日本政府が責任を回避して、
『根本解決』を図らない姿勢が露呈しましたよね。
ご紹介する『介護保険制度』についても同様です。
遠くない将来に、確実に破綻してしまう制度です。
凡ゆる『社会保障制度』において、21世紀後半、
維持できているものは、存在し得ないと考えます。
それが、
私自身はもちろん、クライアントの方々に対して、
ライフ・プランニングに組み込ませない理由です。
アテにしていたものが、無かったら大変ですから。
皆さんも、過度な期待はしない事をお勧めします。
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