今日のテーマは、『果たして、全額税方式の最低保証年金は成立するのか??』です。
来週投開票の総裁選を前に、慌しくなって来ました。
と言っても、政治を語る気などさらさらありません。
基本的に、誰が総裁になっても変わらないと思うし、
日本国が抱える課題は、構造的なものだと感じます。
それでも、国民に与えられた『選挙権』は行使して、
その後、行われるであろう選挙は権利行使しますが。
冒頭、
このような導入にしたのは、河野太郎候補の公約に、
全額税方式での『最低保証年金案』が出てきたから。
言葉だけでは理解できない為、少しだけ説明します。
2021年現在、
日本国の公的年金制度はマックス『3階建』であり、
1階部分は、全国民が対象となる『基礎年金』です。
これに加えて、
会社員の方は『2階:厚生年金』が常設されており、
恵まれた方々は『3階:企業年金』すら存在します。
私たちの親世代、
日本が右肩がりで経済成長した時代、上手く機能し、
マックス受給の会社員は快適年金生活を送りました。
親世代に『会社員信仰』があることも、納得ですね。
しかし、
栄枯盛衰、良いことも未来永劫、続くことなど無く、
会社員であっても『年金神話』に陰りは見えますが。
話を戻すと、
今回『最低保障年金』の話題が対象としているのは、
1階部分の『国民年金:基礎年金』のみ受給対象者。
所謂、
『自営業』に代表される立場の方々ですが、彼らは、
最高で『月6.5万円』受給する資格があるのみです。
保険料を40年間納付した『満額受給』でこれです。
しかも、
上記の数字(月額6.5万円)は、現行受給者平均で、
将来的には、当然(?)減額されることが既定路線。
とてもじゃないけど『月6.5万円』は生活出来ない。
そこで、
河野候補は『最低保障年金』の概念を提唱しており、
年金受給者の『最低基準』の底上げに動いています。
仮に、実現すれば、該当する方々は拍手喝采ですね。
また、
『国家』の存在意義は、国民生活を守ることなので、
『道理』にも適った、素晴らしい活動だと考えます。
しかし、
『理想』と『現実』は大きな隔たりがあるのが常で、
この議論も、決して単純明快なものではありません。
そもそも、
現行の『年金制度』で受給額が減少している理由は、
受給バランスの変化から、財源が不足しているから。
正確には、
現時点、直ぐ枯渇するような状態にはありませんが、
将来を見据えたとき、減額せざるを得ない状況です。
にも関わらず、
『最低保障年金』の基準を新たに設定するとなると、
間違いなく、どこか『歪み』は発生することになる。
例えば、
最も潤沢な資金が眠る『厚生年金』の財源に着手し、
『最低保障年金』支給に充当してしまおうとしたり。
いや、
実は、この動き(厚生年金→国民年金)は、水面下、
既に、現実問題として、起こってしまっていますが。
『厚生年金保険料』は、源泉天引きの強制徴収の為、
会社員の方々からの原資確保が最も簡単・確実です。
しかし、
『最低保障年金』でも、あからさまにやり過ぎると、
流石に、温厚に飼い慣らされた会社員からも反発が。
そこで、
河野候補の提唱案は、『全額税負担』による導入で、
分かり易く言えば、国民一律『大増税』の実行です。
上手い話には、必ず『裏』があるものですね(笑)
勿論、
河野候補の提唱案も『善意』から出たものですが、
やはり、その敷き詰めは『地獄』に通じています。
仮に、
『年金制度改革』を、本気で実行するのであれば、
増税、保険料アップ、支給額ダウンの併せ技です。
しかし、
現実世界で実行すれば、国民からの反発は必至で、
直近の選挙戦では、大苦戦を強いられるでしょう。
只、本当の『根本解決策』はそれしかありません。
日本の『社会保障制度』には、簡単に解決しない、
センシティブな問題が、深く根ざしているのです。
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