今日のテーマは、『現在の為替レートは、果たして、本当に円安水準なのか??』です。
全てに共通して、
人は、自分自身が意識した時点を『基準』としがちです。
このあたり、
動物が、初めて見たものを『親』として認識するという、
本能的性質として、初期設定されているかも知れません。
そのような、
人間の感覚(本能)的な視点で見たとき、現在の水準は、
間違いなく、多くの方が『円安』と判断されるでしょう。
先日も触れた通り、
対基軸通貨(米ドル)としての、日本円の為替レートは、
直近半年間『約20円』もの大きな下落を記録しました。
そのほか、
主要先進国間で最も下落するという不名誉に見舞われて、
通貨市場でも『ひとり負け』という状況が続いています。
流石に、暗号資産(仮想通貨)ほど下落はしてませんが。
もともと、
輸入依存度の高い日本は、コストプッシュ要因と相まり、
急激なスピードで物価上昇が起こり、全く止まりません。
この点、
欧米諸国も同様の状況にありますが、日本との相違点は、
それでも、『経済活動』が活況を極めているということ。
これ程、
全世界共通で『物価上昇』が起こっているにも関わらず、
覇権国・米国を中心に消費が抑制する気配はありません。
残念ながら、日本国民が、最もダメージを受けています。
もしも、
この状況で、『円高』に回帰する可能性があるとすれば、
海外諸国と足並み揃えて、緩和縮小に動くことでしょう。
しかし、
その選択が出来ないことは、以前にも述べた通りであり、
日銀が『無期限緩和』を翻す可能性は、ほぼ有りません。
ご存知の通り、
日本時間として昨夜未明、FRB(米連邦準備理事会)は、
政策金利を『0.75%』引き上げることを決定しました。
先月(5月)の会合の利上げ幅が『0.5%』でしたから、
もう一段、利上げスピードを加速させたことになります。
更に、
来月(7月)の利上げ幅も『0.5%』が既定路線になり、
この傾向は、今後しばらくの間、変わることありません。
実際、
今年(2022年)末の政策金利目標は『3.4%』程で、
来年(2023年)末時点では『3.8%』を目指します。
現行、『1.50%〜1.75%』の水準と比較してみると、
上記の数字が、如何に『高い目標』であるか分かります。
それでも、
物価上昇率を、理想的な2%水準まで抑制するためには、
政策金利の目標値は『6%程』という意見すらあります。
原則として、
『高金利通貨』は、短期的に上昇する事が知られており、
反対に、『低金利通貨』は短期市場で下落していきます。
当然、
このような『歪み』は、長期視点で調整されるのですが、
短期的に、日本円が負け込むだろう状況は変わりません。
これら、
世界の『法定通貨』を取り巻く、背景状況の差によって、
今秋ターゲットは『1米ドル=140円』になりました。
ここまで、
急速な円安(?)進展に関わらず、回帰要因がないのは、
21世紀の日本国が抱える『産業の空洞化』が原因です。
この時期、併せて公表された先月(5月)度貿易収支が、
『2兆3847億円』の赤字である事が物語っています。
もしすると、将来から振り返った時、現在の為替水準は、
『円高だった』と表現される時代が来るかも知れません。
個人的には、決して『絵空事』ではないと考えています。
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