今日のテーマは、『年金受給開始年齢70歳時代の到来は、世界スタンダードに』です。
ここ数日、
現行の『社会保障制度』が孕むリスクについて話しています。
主に、
『年金制度』『健康保険制度』のことを指し示していますが、
両制度とも正常機能している状況では、とても魅力的でした。
しかし、
20世紀後半、日本国内でも成熟経済化が進んだことにより、
人口ピラミッド(年齢別人口数)は、急激に歪みが生じます。
これにより、
制度を維持する上で必須となる『前提条件』が崩壊したため、
年金・健康保険とも、一気に『形骸化』してしまっています。
現在は、『延命措置』により辛うじて生き長らえる状況です。
具体的には、
両制度に共通するポイントとして、保険料の段階的引上げと、
給付(保険適応範囲・年金支給額)を削減していくという事。
さらに、
前者(年金制度)では、人生トータルでの給付も削減する為、
『受給開始年齢』を後ろ倒しすることも既定路線となります。
ちなみに、
これ(年金受給開始年齢の引き上げ)は、日本限定ではなく、
2022年以降、主に『先進諸国間』でのスタンダードです。
実際、
英国では、現行『66歳』に定められている受給開始年齢を、
2026年から28年にかけて『67歳』へと引き上げます。
一昨年10月、『65歳』から引き上げられたばかりですが、
今後も、6年周期で『年金制度』の改定が見込まれています。
その証拠に、
『68歳』への引き上げ案も、すでに既定路線で進んでおり、
2039年に実行されるか、前倒しの可能性も十分あります。
英国内でも、
年金の『受給者人口急増』が予測されており、今後25年間、
増加率は『20%超』とも言われるので、切実な問題ですね。
同様の事例では、
北欧・デンマークは、2030年までに『68歳』とします。
この辺り、
年金の『受給年齢』を引き上げる理由は、財政逼迫の他にも、
『世代ごとの不公平感をなくす』という意味もあるのだとか。
何でも、
『成人期間の3分の1を受給期間とする』考えを基にした時、
受給年齢据え置きは、現行の現役世代に有利になり過ぎると。
*平均寿命が延びることで、受給期間も増加が見込めるため。
この考え方によると、『年金受給年齢』を引き上げることは、
むしろ、高齢者層にある『不公平感』を解消するものだ、と。
なかなか、賛同を得られるのは厳しそうなロジックです(笑)
悲しい哉、人間は『短期視点』で物事を判断する生き物です。
単純に、受給年齢引上げは、高齢者層からも反発を招きます。
しかし、
欧州諸国よりも、国家財政が逼迫している『日本』において、
その(受給年齢引き上げ)議論を避けられるはずありません。
実際、
厚生年金の受給年齢の段階的引き上げ(60歳→65歳)は、
2013年からスタートし、現在も進行している最中ですね。
これからの時代、
年金受給開始【70歳(若しくはそれ以上)時代】の到来は、
世界的スタンダードであり、日本で起こり得る『現実』です。
現実を無視した『楽観思考』は、早めに捨てておきましょう。
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対面・オンライン開催ともに、先月から再開しています。
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