今日のテーマは、『コロナ禍を経て証明された、問題はお金で解決されないという真実』です。
タイトルにも採用しましたが、
世の中に存在する問題は『お金』では解決など出来ない、
例えそれが『お金』に起因して発生する問題でも、です。
仮に、
あなたが、毎月の収支で『1万円』ショートするとして、
差額分多く収入を得られたら、借金体質は改善されるか。
恐らく、
多くの人が予想する通り、今月も1万円債務超過に陥り、
長年染み付く体質が簡単に改善されることはありません。
それどころか、
自らが持つ器以上のお金が与えられると、呼び水となり、
人生の『ダークサイド』に転落する可能性すらあります。
このように示せば、多くの方々が理解してくれますよね。
しかし、
現実世界となると、殆どの方々が、人生の問題の多くを、
『お金』というツールに依存して解決しようと試みます。
これは、少し冷静に考えてみると、相当おかしな話です。
例えば、
運転技術の未熟さ故、自損事故で車を大破させた人物に、
自分の(代わりの)車を貸してしまう人はいませんよね。
そんな事をすれば、
その人物は新たに事故を起こしてしまうことはもちろん、
最悪の場合、人の命を奪ってしまう危険性すらあります。
先日、
コロナ禍に導入された中小企業向け無利子・無担保融資、
通称ゼロゼロ融資の焦げ付き状況(*)が判明しました。
*回収不能、若しくは回収困難で不良債権化されたもの。
約3年半前、
2020年3月からスタートした緊急融資制度でしたが、
いよいよ、貸付金の返済が本格化する時期へと突入して、
徐々に、その全貌が判明しはじめたというのが実情です。
それによると、
日本政策金融公庫と商工組合中央金庫併せた関連貸付は、
総額19兆円に上り大半がゼロゼロ融資に占めています。
2023年3月末、
残高は約14兆円と順調に5兆円が返済されている一方、
現時点で回収不能と評価された貸付も2000億円存在。
更に、
回収困難なリスク管理資産も8785億円存在しており、
両方を併せた不良債権は既に『1兆円』を超えています。
中には、
当初から返済可能性(意思)が低いものも含まれており、
返済期限を迎える毎、総額は順次増加すると予想します。
2020年、
未曾有の危機に襲われたことで、経済活動がストップし、
緊急融資によって、救われた企業があることも確かです。
しかし、
本来であれば、そのような『非常事態』も考慮に入れて、
経済的な余力を蓄えておくことも『事業者』の責任です。
その努力なく、
『未曾有の危機だから、資金がないから借りる』のでは、
早晩、経営が行き詰まってしまうことも自明と言えます。
問題の本質はすべて、決して『お金』では解決出来ない。
コロナ禍の動乱を経て、再び証明されようとしています。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太