今日のテーマは、『正常な金利のある世界を取り戻した時、果たして日本はどうなるか』です。
昨日の公式ブログでは、
『買い支えが停止した時、株式市場は活況か』と題して、
市場の正常化に向けて動き出したことをご紹介しました。
恐いもので、
10年以上継続される中で慣れ切ってしまっていますが、
日本の株式市場は長い間ずっと異質な状態にありました。
昨日も例示した通り、
日銀によるETF購入の常態化は、民間企業で考えたとき、
自社株買いによって株価を維持し続けていくようなもの。
もちろん、
ルールの範囲内であれば違法性は問われないでしょうが、
そのもの(該当企業)の実体は非常に掴み難くなります。
現実に、
中央銀行・日銀が株式を買い増し続けたことで、一時期、
東証プライム上場約4割の大株主になってしまいました。
引くに引けなかったのでしょうが、笑い話になりません。
仮に、
日本が鎖国状態で、経済が域内完結するなら良いですが、
現実世界において、これでは海外投資家から敬遠される。
しかし、
日銀総裁の交代から1年弱、前任者のメンツを保ちつつ、
植田新総裁は、粛々と金融政策の変更に着手しています。
就任前から実務家と評されていましたが流石の一言です。
1つは、
昨日テーマとして扱った、ETFの適宜購入という形式で、
10年以上継続された日銀による株式介入を弱めること。
更に、
それと並行して本丸とされる『金利』のコントロールを、
近い将来、是正する準備に入ったとの見方も強まります。
実際、
昨年終盤には、長期金利の許容幅を実質1%に拡大して、
目下、10年もの国債金利は0.7%台半ばを推移します。
当然、
欧米先進諸国の金利水準には及ばないものの、それでも、
ゼロ金利が常態化していた日本では、驚異的な数字です。
そして、
2016年導入のマイナス金利も4月の解除が予想され、
現在、急ピッチでそれを実現するため準備が進行中です。
1つの証拠に、
日銀による国債買い入れは直近1年で低空飛行しており、
2024年1月期も、5兆9000億円未達で終了予定。
購入額が6兆円を割り込むのは約2年ぶりの出来事です。
このことからも、日本経済が正常化して、予定より早く、
『金利』のある世界が戻ってくることが予測されますね。
しかし、
経済の原則を無視して、ゼロ金利を維持していたのには、
国家の財政を考慮した『相応の理由』があることも事実。
転換点では、メリットと同様にデメリットも存在します。
日本に『金利』が戻ったとき、どのような世界が待つか、
私自身も、まだ正確に予測できずにいることも確かです。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太