今日のテーマは、『結婚・出産が究極の贅沢になってしまった、日本の未来は明るいか』です。
かつて、
社会全体として『一般常識』だと考えられていたものが、
時代の変遷で、大きく変化することはよくあることです。
本日取り上げる『結婚・出産』も、その典型例ですよね。
私たちの世代、
30代後半以降の方々であれば、物心がついたときから、
将来、家庭を築くことを漠然と考えていたと想像します。
最も身近な大人、
両親もそれが出来ているのだから、もちろん自分たちも、
当然の如く、結婚して子を持つことは出来るのだろうと。
しかし、
2024年現在、昭和時代の常識が崩壊していることは、
各所から公表される統計数値により、明確に示されます。
先日、
総務省より公表されたデータで、昨年1年間の婚姻数は、
前年比として約3万組減少した『47万4717組』で、
1933年以来90年ぶりに50万組を割り込みました。
ちなみに、
1933年、日本の総人口は約6700万人にとどまり、
現在のそれ(約1億2400万人)と比べてもほぼ半数。
それを考慮すると、
如何に現代日本に生きている私たちが、意思は別として、
『結婚できない』状況にあるのか理解できると思います。
一説によると、
コロナ禍、社会全体で『個』の分離が進んだことにより、
男女とも、総じてコミュニケーション力が低下したこと。
それが、
コロナ感染が5類に移行して、人流が回復している今尚、
婚姻数が回復してこない一因になっていると言われます。
話を戻すと、
婚姻数が減少するということは、多様な価値観と言えど、
国家全体の出生数も、直接的な影響を受けるということ。
実際、
昨年の出生数は、前年比較で4万人減と大きく落ち込み、
統計開始後、過去最低を更新する『72万7277人』。
もちろん、
今年の出生数は、その数字をさらに割り込むことになり、
直近の減少速度から考えて70万人を下回ることは確実。
2016年、
初めて、年間出生100万人割れが注目を集めましたが、
10年経たずして3割以上減少していますから衝撃です。
この状況を危機と言わずして、何と表現するでしょうか。
また、
厚生労働省から昨年の人口動態統計が公表されましたが、
合計特殊出生率は『120』でこちらも過去最低を更新。
当然ながら、
男性は子どもを産めませんから、人口を維持する為には、
少なくとも『2.07』を超える必要があると言われます。
『1.20』という数字が、いかに末期か分かりますよね。
奇しくも、
1994年、少子化対策のエンゼルプランが初策定されて、
今年は、それからちょうど30年目の節目を迎えています。
この期間、
少子化対策として延べ『66兆円』が投入されましたが、
30年目の集大成が、今直面している壊滅的な状況です。
現代において結婚・出産は『究極の贅沢』になっている。
国家として、少子化を食い止める為のデッド・ラインは、
薄々気付かれるとおり、遥か昔に通過してしまっている。
今の日本は、為す術なく『死期』を待っている状態です。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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代表 井上耕太