今日のテーマは、『金利ある世界が戻りつつある今、日本国債は投資選択肢になり得るか』です。
早いもので、
植田和男総裁による日銀新体制スタートから1年が経ち、
日本にも『金利』のある正常な世界が戻りつつあります。
実際、直近は長期金利も1%超で推移することが常態化。
公には、
『金融緩和』を維持するスタンスは継続と示しながらも、
暗黙の了解である程度の金利上昇は認めている状況です。
恐らく、
長期金利が『2%』の大台に触れる事はないでしょうが、
今後『1%台中盤』に上昇する可能性は大いにあります。
そんな中、
先日、安定資産を保有するという観点で『日本国債』を、
ポートフォリオに含める人が増えるとの報道を見ました。
主に、
リスク許容度が低く、『元本割れ』という言葉に対して、
アレルギー反応を示してしまう方々が対象だと言います。
果たして、この選択は正しい判断と言えるのでしょうか。
先ず、
数字を確認すると、直近で発行された日本国債において、
『10年変動もの』の利息は税引前の値で年率0.72%。
確かに、
銀行の普通預金が『0.02%』であることを考慮すると、
変動10年もの国債利回りは36倍の高金利(?)です。
一般の方々が揺らいでしまうのも分からんでもないです。
ただ、一旦落ち着いて冷静に行動してほしいと考えます。
仮に、
払い出される利息を再投資して複利で運用できたとして、
その利率で元本2倍になるには100年の歳月が掛かる。
まして、
実際の利率は税引き後の『年率約0.574%』ですから、
現在を起点に元本2倍到達に要するのは120年超です。
それを知った上でも未だ適切な行動と感じるでしょうか。
私見ですが、
安定運用を目的に債券をポートフォリオに組み込む場合、
海外諸国でも取引されている高格付債権と同等なレベル、
『年率4ー5%』程の利回りは最低条件として求めます。
ご存知の通り、
誰しも人生(生きられる時間)は『有限』なのですから、
投資に対する金利水準も適切に設定する必要があります。
前述して触れた、
年率0.72%(1%未満)で選択肢に組み入れる報道は、
ゼロ金利に慣れ切った日本人に対する『贋』でしかない。
時間の経過と共に刻々と変化している経済背景に応じて、
私たち国民サイドも、アップデートが求められています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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