今日のテーマは、『自然界と等しく、金融界も緻密なバランスで生態系が成立している』です。
ご存知の通り、
自然界には人間が定めたボーダーなどまったく関係なく、
緻密なバランスで成立する『生態系』が存在しています。
実際、
互いには直接交わることない種(生物)同士であっても、
一方の消滅により、他方も危機に瀕することはしばしば。
もちろん、
数百年、数千年というスパンで淘汰は繰り返されますが、
原則として『不要な存在』はないものと認識しています。
意外に思われるでしょうが、これは金融界も共通します。
事実、
投資戦略として対極ポジションをとる者同士であっても、
相手の存在のお陰で、自らが利益を得られることも多々。
例を示しましょう。
私自身パッシブ戦略を基本方針として投資に臨んでおり、
全世界の経済成長を享受すれば良いというスタンスです。
もちろん、
全資産をインデックス投信で運用する訳ではないですが、
アクティブな対象に投資する際もポートフォリオ全体で、
パッシブ戦略のメリットを享受するよう構成しています。
対極の存在としては、
デイトレードと言われる短期売買を主戦場とする人たち、
一般的に『アクティブ投資家』と呼ばれる方々ですよね。
彼ら・彼女らは、
短期的に生み出される市場の歪みをだし抜けると信じて、
猛獣が狩りをするかの如く、日々市場を注視しています。
そして、
一見、相反するように見えたとしても、私の投資戦略は、
彼ら(アクティブ投資家)の存在があってこそ成立する。
仮に、
この世界から、アクティブ投資家が消滅してしまったら、
途端に、機能不全に陥って破綻してしまうと想像します。
先週25日、
NYSE(ニューヨーク証券取引所)は来年半ばを目標に、
取引時間を延長する計画が進行中であると発表しました。
現行、
米国・東部時間9時30分〜16時の通常タイムのほか、
その両側に4時〜20時の時間外取引が設定されており、
1日トータルで16時間の取引時間が提供されています。
新計画では、
これを最大6時間延長し、始まりは午前1時30分から、
終了23時30分と1日をほぼフルカバーする方針です。
これにより、
米国内だけでなく、地球上に存在するすべての投資家を、
米国マーケットに引き付けてくることが狙いとされます。
今尚、
決済ベースで世界全体の約50%に迫る米国市場ですが、
今後、その求心力は益々高まることが予想されています。
一見すると、
これ(取引時間の延長)は短期トレードを主戦場とする、
アクティブ信者の投資環境を整備する動きと言えますね。
しかし、
彼らの活動時間が増えることでミスプライスはなくなり、
株式市場はより歪みなく効率的なものになることも事実。
ひいては、
直接取引するアクティブ投資家のみならず、長期的には、
パッシブ投資家にも恩恵がもたらされることになります。
私たちが、
再現性を求めて将来を見据えて実行している資産形成は、
この世界が効率的であるからこそ実現することが出来る。
金融界も緻密なバランスを保ちながら生態系が成立する。
理系学部の出身者として、とても興味深く感じています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太