今日のテーマは、『日本人が直面する社会保障制度の歪みは、今後ますます厳しさを増していく』です。
先日26日、厚生労働省より最新の人口動態統計・速報値が公表されて、2025年の出生数が『70万5809人』になることが判明しました。
同統計は1899年にスタートして以来、実に100年を超える歴史がありますが、速報値ベースで過去最小を更新するのは10年連続という異常事態が続いています。
また、2023年に国立社会保障・人口問題研究所が公表した将来推計人口によると、日本の出生数が約70万人となるのは、当時から20年ほど後の2042年ごろになると試算されていました。
しかし、現実には予測を17年も前倒しして、僅か2年後に達成(?)してしまうのですから日本の少子化の凄まじさを感じます。
因みに、先ほどの速報値が在日外国人・在外日本人も含むことを考慮すると、在日・日本人という条件を付した出生数は70万人を割り込み、2024年のそれ(68万6061人)を確実に下回ります。
さらに、出生数から死者数を差し引いた自然減は89万9845人のマイナスとなっており、現代の日本は年間100万人に迫るペースで居住者が減っていく時代に突入しているということです。
改めて言うまでもなく、(長期的視点では)国家として存続する危機的事態ですよね。
少しだけ振り返ると、私自身が生まれた1980年代前半の年間出生数は約150万人で推移しており、さらに遡ること40年の第二次大戦敗戦直後(約270万人)と比較して半減していました。
その結果、現代の日本が直面しているのは社会保障制度の大き過ぎる歪みで、2026年現在、現役世代の重い負担感と反比例するかのように高齢者世代への給付は薄いものになっています。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、年金、医療、福祉・介護を主とする日本の社会保障給付は2025年度で『140兆円』の大台を突破しており、高齢化の進展に伴いその数字は今後も増大します。
そして、そのうち約6割が国民から徴収した社会保険料で賄われている訳ですが、現状ですら、現役世代と企業が負担した保険料の約4割が高齢者への仕送りに充てられているという現実があります。
にも関わらず、現在の社会保障が十分とは言えないことを考えると、私たちを待ち受ける未来はより厳しいものになると想定するのが妥当ではないでしょうか。
奇しくも、歴史は繰り返されており、冒頭にご紹介した2025年の出生数は40年前と比較して半分以下の数字にまで落ち込んでいます。
つまり、現時点ですでに閉塞感のある日本の社会保障制度は、今から40年後にはその厳しさを確実に倍以上増しているということ。果たして、システムとして存続しているかも危ぶまれるレベルです。
当たり前のことですが、私たちは10年後には今より10歳、20年後には今より20歳と年を重ねることになりますが、誰もが知っているこの現実を回避する手段は今のところ発見されていません。
同様に、日本の社会保障制度が詰んでいることは、現時点ですでに確定していることのように感じます。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太





