『資産形成スペシャリスト』、井上耕太です★
先週一週間は、
とても慌ただしい状況が続きましたね。
世界的にも株安が進み、
日本の長期国債も市場初のマイナス金利を記録。
世界的に見ても、スイスに次いで2ヵ国目の快挙?です。
ドイツ銀行に端を発して欧州危機が再燃し、
アメリカの景気減速も相まって世界的に閉塞感があります。
リスク市場から撤退する投資家が相次ぎ、
比較的信用度の高い『日本円』が買われてます。
世界的にも、『有事の際の日本円』は健在です。
日本が生み出すGDPに担保され、
リスク市場に比較的投入されてないことが要因でしょうか(^_^)
黒田日銀総裁が『マイナス金利』を発表した後、
一時『1US$=122円』をつけた為替も、
2週間もたない間に『1US$=113円』程度まで戻ってきました。
長期国債の金利が『マイナス』になったこと。
ドル円の為替レートをコントロール出来なかったこと。
今まで重ねてきた先送りのツケが回り、
ついに、制御不能な事態へと突入した感があります。
ところで、アベノミクスに限らず、
時の政府はいつでも『円安』『インフレ』を唱いますよね。
これ、なんでかわかってますか??
『円安』→対外的に貨幣価値を下げること。
『インフレ』→国内的に貨幣価値を下げること。
簡単に言うとこんなとこです。
つまり、どちらも『貨幣価値』を下げてる。
わかり易く言うと、
『皆さんが持ってる、日本円の価値を下げます。』
なんで、そんなことすると思いますか??
それは、見かけ上の『景気』『経済指標』を上げるためです。
日本に限らず、
比較的ボラティリティがしっかりしてる先進国では、
どうしても自国通貨を絶対的な価値と勘違いしがちです。
つまり、『景気』『業績』『経済指標』なんかを、
『絶対値』の数字として評価してしまうんですね。
だから、政治家さんにとってはとても都合良い。
『貨幣価値』が下落したら、
必然的に今までと同じもの買うときも、
より多くの『数字』を払いますからね。
だから、『円安』『インフレ』に誘導する報道ばかりしてる。
でも、僕は別に『円高』で良いと思ってます。
『円高』とは、
世界の人々が『日本円』の価値を認め、
我先にと求めている状況。
当然、日本にイニシアチブが移ります。
加えて、日本人が作る製品・サービスは優秀。
なので、いくら一時的に相対評価で高くなっても、
それを手に入れたい人は世界中に居てる。
人間は経済的合理性で動きません。
どんなに『高価』なものでも、
それに本当に『価値』を見出だしたら買ってくれます。
だから、円高の煽りを受けて、
輸出系企業が苦戦するというのも一時的なこと。
もし長引くようなら、
単に魅力的なものが作られてないだけ。
『円高』に進むことで、
国民生活にも余裕が出てきます。
言うても、ここ20年日本の平均給与は動いてない。
『数字』として動いてないなら、
『貨幣価値』が高まれば必然的に生活の質も向上します。
企業が給与アップ出来なくても、
これだったら問題なく生活していける。
なのに!!
何故か政府は『貨幣価値』を下げようとします。
昨日のNHKのニュースでも、
今回の円高が中国旅行者の爆買いに影響をもたらすと報道してました。
中国人旅行者にインタビューして、
『旅行回数、買い物金額を減らすかも知れない』と。
心斎橋のドラッグストアにも意見を聞き、
『売上げ低下が懸念されます』と。
え~と、国民を馬鹿にしてるのかな??(笑)
中国人旅行者の爆買い市場は、
どんなに大きく見積もっても年間3兆円ほどです。
日本のGDP約500兆円と比較したとき、
1%にも満たない部分の些末なもの。
そんな部分と、
国民生活を引き換えないで頂きたい。
ちゃんと頭使って、見抜ける人は見抜いてます。
『そんなもん、円安誘導の理由にならん!』と。
ところで、こんな数字もあります。
『アベノミクス開始前』
・為替:1US$=約80円
・日経平均株価:約10,000円
・日経平均US$換算:125$
『2016年2月11日(金):昨日』
・為替:1US$=約113円
・日経平均株価:14,952円
・日経平均US$換算:132$
だいぶ、メッキが剥がれてきました。
『円安』『インフレ』誘導報道、
鵜呑みにして騙されないようにしよう(^_^)★