今日のテーマは、『常に、裏側を見抜く視点を身につける』です。
まず、質問から入ります。
皆さんは、得られた『情報』をそのまま受け取りますか??
それとも、
常に、『本当にそうかな??』という視点で、
『裏側』を見抜く視点を身につけて、判断しながら受け取りますか??
『人間性が良い』という事も出来ますが、『日本人』は、
世界中でもトップクラスに『メディア信用度』が高い国民と言われています。
欧州諸国では信用度レベルでいうとほぼ50%程度。
つまり、文字通り、『話半分』程度にしか聞いていません。
皆さんに周りでも、いつも調子良いことばかり言って、
(悪い人じゃないけど、)全く『信用』のない方々がらっしゃいますよね。
それらの国々では、『メディア』に対しての信用度もその程度で、
ある種、『エンターテイメント』の一部にような扱いです。
ただ、
こと『日本』になるとその信用度は絶大で、
『メディア』で報道されることが、あまりにも無防備に受け入れられています。
これは、
私個人の考えでは、とても大きな『リスク』だと考えています。
誤解を恐れずいうと、
『メディア』を通して報道される情報は統制が掛かっているのが常で、
特に、権力者の意向が反映されていると考えるほうが、世界的には『スタンダード』です。
私は『テレビ』はほとんど見ないのですが、
つい先日、待ち時間に放映していた番組を見ても、『違和感』を感じました。
その番組では北欧の『デンマーク』について伝えていたのですが、
日本とデンマークの労働生産性を比較して、次のように言っていました。
『日本は、労働生産性がとても低い。』
『デンマークは、より効率的に働くことで、豊かな暮らしをしている。』
『ヒュッゲ』という日本語にはない単語で表現されていたのですが、
『リラックスタイム』を有効活用することで、生産効率も上がり、
『QOL:生活の質』も保ちながら、人生を充実させられる。
奇しくも、
日本の『働き方改革』を推し進めるような、タイミングバッチリの報道ですよね。
デンマークの会社員は週37時間(1日平均7時間超)の労働時間で、
『フレックスタイム』で、時間的にも、精神的にも余裕を持って過ごしている。
当然、一日毎の『労働時間』も自己判断で決められるし、
午後3時に出社し、子供を託児所に迎えに行って、家族との時間を過ごす事もできる。
長期休暇取得にも会社・同僚の理解があり、
きちんと『引き継ぎ』さえすれば、『3ヶ月』程度の超長期休暇も取得可能。
日本人からしたら、比べ物にならないほど『余裕』を持って働いているのに、
デンマーク一人当たりのGDPは、『年間約5万6000USD』と高水準。
実に、日本人一人当たりGDPの『約1.5倍』です。
この報道をそのまま『鵜呑み』にしていたら、
『日本人も、余裕を持ちながら生産効率を高められるんや!』
『収入が低いのは、自分たちの働き方が間違っているから。』ですよね。
番組制作サイドとしても、
視聴者にはこのようなメッセージ付を期待しているのだと感じました。
しかし、
私が番組から感じた事は、まったく違った着眼点でした。
『これは、おかしい、、、、。』
確かに、デンマーク人は余裕を持って『仕事」に取り組み、
精神的にも、身体的にも健康に人生を過ごしているように見えます。
もし、
これが世界共通の『真実』だとすれば、
世界から飢餓と貧困がなくなり、ついでに戦争や内紛もなくなり、
全ての人類が『幸せ』を感じながら生きているはずです。
でも、
皆さんもご存知のようにそれは実際とは違い、
世界の大部分は、『貧困』と『飢え』に苦しみながら生活しています。
と言うことは、
この番組で取り上げられたデンマークはじめ、欧州各国で、
明らかに『余裕』ある暮らしが出来ているということは、
世界のどこかで、その『しわ寄せ』が来ている国があるということ。
それこそが、
バングラデシュはじめ、世界の経済最貧国にラインナップされた国々です。
つまり、
報道の中では『善し』とされていた先進国の余裕ある暮らしは、
これら最貧国の犠牲のもとに、成り立っていると言えるのです。
どうですか??
『フライング・タイガー・コペンハーゲン』で、
気軽に買い物が出来なくなったのではないでしょうか??
番組内では『劣っている』とされた日本の生産性・生活も、
世界全体から見たら、圧倒的に『裕福』なものです。
しかし、
番組内で取り上げられた、先進諸国の一部の上澄み部分だけ見て判断すると、
『現実』とはまったく異なった『現実世界』が出来上がってしまいます。
*因みに、ここでは詳しく述べませんが、
日本の労働生産性が低いのは、報道された『ヒュッゲ』の要因ではありません。
*これには、第二次大戦敗戦国の重荷が、今もなお続いているのです。
今回の事例は、直接、私たちの生活に影響を与えるものではありません。
ただ、
ふと目にしたテレビ番組を見ていても、
『情報を鵜呑みにすること』の危険性を感じたので書かせて頂きました。
特に、
世間一般的には、テレビは構えずにリラックスして見るので、
その情報は、より無防備に、無意識のうちにインプットされてしまいます。
『本当にそうかな??』という視点を、常に持ってください。
自分の頭でジャッジする『眼力』を、身に付けてみてください。
『受動的』に情報を受け取る立場になると、
『資産形成』をしないことと同様、人生の『主導権』を放棄することになります。
今日の記事は『お金』『資産形成』とは関係ありませんが、
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井上耕太事務所
代表 井上耕太