今日のテーマは、『絶対に儲かる!という投資は存在するのか??』です。
まず、皆さんにも質問してみたいですね(笑)
タイトルの問いに対して、『YES!』と答える方はいらっしゃいますか??
それとも、『そんなもの、存在するはずが無い!』『NO!』でしょうか??
私の個人的な考え方では、この条件だけで明確にどちらとも言えず、
『YES!』と答える事も出来るし、『NO!』と答える事も出来る。
例えば、
ドル・コスト平均法で毎月1万円を世界市場に対して拠出し、
それを25年間も継続してしまえば、かなり高い確率で資産は増えます。
世界経済は中長期的には右肩上がりの成長を続けており、
この戦略が破綻する場面では、他の多くの方法も同様に無価値です。
全ての分野において『絶対(100%)』は無いですが、
『投資の世界』において、『ヒストリカル(歴史的)データ』から見ると、
上記の戦略は『ほぼ100%』の確率で達成し得ます。
そういった意味では、
上記の方法は『(限りなく)確実に儲かる!』と言えなくは無いですよね。
反対に、
昨年中頃から加熱の兆しを見せ、年末にピークに達した『仮想通貨』を考えましょう。
市場で評価される『現在価値』が低いとみれば、
自らの保有分を増やしていく事で、将来的に大きなリターンをもたらす可能性もあります。
『ここ1年、2年頑張って、一生遊べる資産を築こうぜ!』など、
ある特定のレベルの方々が好みそうなフレーズも、あちこちで聞こえていました。
しかし、
『市場成長』ではなく、『市場の歪み』にかける投資戦略は、
誰かが勝ったら、その総量分誰かが負ける『ゼロ・サムゲーム』です。
この市場のルールでは、
『市場の歪み』を見つけたら、誰にも言わず、
融資も合わせて、人知れず大金を集め、最大資金を投入するのが正しい戦略です。
反対に、
『情報』を共有してしまうと、自分の『勝ち』分を減らすことになり、
ともすれば、市場参加が遅くなれば『負け』側に回る可能性すらあります。
このことを、しっかり理解しておいてください。
先日から、新聞紙面を賑わしている『スルガ銀行』問題がありますよね。
(*公式ブログでも以前取り上げた事がありますが、)
女性向けシェアハウス『かぼちゃの馬車』への融資場面で、
行員が(組織ぐるみで)審査資料を改竄して、融資を継続していた問題です。
そもそも、
スマート・デイズ社が提供する『かぼちゃの馬車』ビジネスに関して、
相当な算段の甘さがあり、当初から運営が危ぶまれる状況でした。
(*事実、スマート・デイズ社は既に経営破綻しています。)
それに対して、
『スルガ銀行』サイドも同社とタッグを組んで、
融資希望者をロクに精査せず、審査を通してしまっていたのです。
(*審査資料改竄なので、相当に悪質な事例ですね。)
当然、
『シェアハウス・ビジネス』が破綻してしまった現在、
融資を受けた方々は、その資金返済ができる訳がなく、
路頭に迷ってしまっている現状だと思います。
幾ばくか救済措置もあるようですが、私の個人的考え方では、
融資を受けた方にも責任があるので、負担軽減はなくて良いと考えます。
『被害(?)を受けた人が可愛そう!』『非人道的な意見!』
このようにおっしゃる方々も居るかも知れませんが、彼らが犯した過ちの『歪み』が、
巡り巡って、私たちに『皺寄せ』として来るとしたらどうでしょう??
そこまでしっかり物事を見られるようになると、
もっと深い視点で、自らの意見を述べる事が出来るようになりますね。
以前から、
今回フォーカスされる『スルガ銀行』は、
『高収益ビジネスモデル』として、業界では有名な存在でした。
昨年(2017年)に金融庁が発表した金融レポートの中では、
地方銀行(スルガ銀行は静岡県2位レベルの地銀です。)106行の内、
『収益率』『収益率上昇幅』の2項目で他行から突出しています。
*同時期(2016年〜2017年)のスルガ銀行の貸出金利周りは『3.6%』を超え、
『1%』から『0%』そこそこに落ち込む地方銀行と、大手都銀からかけ離れています。
他の地方銀行が手を引く案件(融資者・ビジネス)に対しても積極的に融資し、
『シェア・ハウス』ビジネス全体では『2000億円』を超える融資を実行していたというので驚きです。
預金残高『4兆円』に対しては『約5%』という割合を占め、
融資総額に対する割合も、『10%』を超えて来ると言われています。
『不正をしなければ、ノルマを達成できない。』
『それは、経営幹部はじめ、支店長クラスもわかっていたはずだ。』
このような発言も社員間からは出てきているようで、
今回のこの話題も、『一筋縄』では解決しそうにはありませんね。
それで、
恐らく、今回の『かぼちゃの馬車』問題で融資を受けた方々は、
どこかのタイミングで『絶対に儲かる!』か、その旨の説明を受けたと思います。
しかし、
ここで思い出して頂きたいのは、『市場成長』ではなく、
『市場の歪み』に賭ける投資戦略では、情報共有しないのが最善策という事。
もしも本当に儲かるのであれば、
スルガ銀行融資担当者が、自らクレジットを利用して最大限お金を借り、
それをフル・ベットで『シェア・ハウス』ビジネスに投入するのが『最善策』です。
(*実務的に実行できるか不明。)
それが、
実際はその真逆で、自分達は全く投資する事なく、
投資家に対しての『高利貸しビジネス』で儲けていたというのですから不憫です。
この世の中に、
『絶対に(かなり高い確率で)儲かる!』投資対象・戦略というものは、
『無くはない』と、個人的には考えています。
しかし、
それをしっかりと自らの『眼力』で見抜くためには、
社会の流れに敏感になり、継続的に勉強していく事が大切だと考えます。
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代表 井上耕太