今日のテーマは、『幻の石油に関する話題を、もう1つ』です。
昨日の公式ブログでは、『大切なニュースは、いつも深夜に流れて来る』と題して、
米国の経済制裁による『イラン産原油』の禁輸措置の話題を取り上げました。
(*具体的な『原油価格』に影響が出るのはもう少し先かも知れませんが、)
世界的に見ても、少なくないシェアを誇る同国の『原油流通』が減少すれば、
一時的な『原油価格高騰』は、避けられないと考えるのが自然です。
直接的にイメージされる『ガソリン』以外にも、
私たちの生活には『石油製品』は溢れていますから、間接的に影響は出て来ますよね。
それを深刻に受け取っている方がどれほどいらっしゃるか疑問ですが、
意識してかせずか、『大切なニュース』は『深夜』によく出て来ます。
昨日話題に挙がった『原油』関連で、今日はもう1記事書きたいと思います。
俄かに話題になっている、『幻の原油』と呼ばれるものについてです。
『幻の原油』
こう表現される『原油』を、公式ブログ読者の皆さんはご存知でしょうか??
実は、
これまで公式ブログでも度々取り上げてきた、
今まさに『経済危機』の最中にある『ベネズエラ』に眠っているものなのです。
先日、
同国が『10万分の1』規模の『デノミネーション』を実行したことは、
一週間ほど前(先月8月末)の記事でも書かせて頂きました。
その中で、
現在、政権を握る『マドゥロ大統領』が、新通貨『ボリバル・ソベラノ』と、
同国が発行している仮想通貨『ペトロ』を連動させる構想についても少し触れています。
今回、
『幻の原油』と表現されるのは、この『ペトロ』の裏付けと言われるもので、
『ベネズエラ』という国の中部、サバンナにある『アタピリレ』眠るものを指します。
何度もお伝えしていますが、
数年前から深刻な『経済危機』に見舞われた『ベネズエラ』は、
資金調達の苦肉の策として、埋蔵する原油を担保とした『仮想通貨』の発行に手を出します。
ベネズエラ政府の公表では、
『独立した国際認定機関』のお墨付きとして、
同地域には『約53億バレル』の原油が、今尚眠っていると言われてます。
現在の取引レートで、
(*少し高めに見積もりますが)『1バレル=70米ドル』で取引した時、
埋蔵量から換算して、同国には『約3700億米ドル』の調達が可能ですよね。
日本円に換算してざっと『40兆円』ほどですから、
これだけの資金が調達出来れば、小国『ベネズエラ』の経済は一気に立て直せます。
いや、
『立て直せる』どころか、全ての債務を返済しても、
尚、『お金』が余りある『超富裕国』になりますね。
実際、
『ペトロ』発行以来、資金調達は順調に進んでいて、
現時点で『33億米ドル(日本円換算:約3650億円)』を捻出し、
それは、輸入品の支払いや日々の経済活動でも使われている。
、、、、、、、、と、同国政府(マドゥロ大統領)は言っています。
しかし、
現実には、それが『真実』かどうかは非常に疑わしいですね。
『国際的調査機関とは、どこを指すのか??』等、
埋蔵される『53億バレル』の存在自体を疑うと、そもそも話が進まなくなります(笑)
なので、
『53億バレルの原油は存在する』という過程の元に展開しますが、
もし、本当にこれが存在していたとしても、『幻』と化してしまう可能性は大きいのです。
そもそも、
話題の地となっている『アタピリレ』は、人口1300程度の小さな村。
かつては『養魚業』で栄えた街も、現在では斜陽に入り、
劣悪生活環境から人口流出が起こり、廃墟も目立つようなってきた場所だと言います。
もし、
本当に『埋蔵される原油』が掘り起こされる計画があるのであれば、
かつて、日本各地に存在し、活気に湧いていた『炭鉱町』よろしく、
人口が爆発的に流入していてもおかしくないはずです。
しかし、
現実には、その状況とは全く違い、サバンナの中心に存在するこの街は、
そこに住む人を『忘れられた村人』と呼ばせてしまうほど荒廃しています。
同国政府は、
(*ペトロの裏付けに使っているので、当然と言えば当然です。)
今後、この地域に本格的な開発計画があることを主張しますが、
実際、それには最低で『200億米ドル』の資金が必要であり、
経済危機に陥る同国『国営石油公社』に資金がある訳がありません。
要は、
『仮想通貨』の裏付けとなる、『実体資産』は在る(はず)。
しかし、
その『実体資産』を採掘して、実際に活用することは(恐らく)不可能で、
その状況こそが、『幻の原油』と呼ばせしめている原因です。
現時点で、
米国が『ペトロ』の取引を禁止しているのは有名な話ですが、
それもあってか全世界的にも取引記録が確認出来る事は稀で、
『仮想通貨』交流サイトでは『ペトロは詐欺』といった投稿が見られます。
一時、
『ベネズエラ』を襲う経済危機の『救世主』と見られた『ペトロ』は、
あまりにも早く、『メッキ』が剥がれ落ちてしまった形になります。
個人的な話になりますが、
今、『海賊と呼ばれた男』の小説を読んでいる最中で、その中でも、
(*日本の石油産業の父・国岡鉄造の半生を描いた小説です。)
『原油』が、古くから生活必需であり、人を魅了してきた対象であることが描かれています。
その『原油』をテーマに、連続して、ちょっとした話題が出てきた一週間でした。
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代表 井上耕太