『高齢社会における資産形成・管理指針』、正しい解釈は??

今日のテーマは、『高齢社会における資産形成・管理指針、正しい解釈は??』です。

 

 

先日の公式ブログでは、

 

 

『金融庁も認めた、現行・社会保障モデルの破綻』と題して、

先日公表された、『人生100年時代』を生き抜く金融庁方針案をご紹介しました。

 

 

詳細は、先日の記事をご覧頂くとして、

簡単に言えば、次の『2センテンス』に集約される内容と考えます。

 

 

①現行水準での『年金支給』は厳しいですよ。

②現行水準での『退職金』が支払える企業は、無いと思います。

 

 

以上です。

 

 

特に、『項目②』については、民間企業が考える事ですが、

これを『金融庁』が言及し、国民に警鐘を鳴らしたことは興味深いですよね。

 

 

上手い言葉は見つかりませんが、

 

 

『私たちの親世代(*現時点で年金支給されている世代)』の方々は、

特別な能力も無く、何を考えずとも、『快適年金ライフ』を過ごしているように見えます。

 

 

しかし、

 

 

残念ながら、『私たちの世代』から『それより若い世代』では、

現在の『快適年金ライフ』を過ごす方々の『常識』は通用しません。

 

 

ここ30年から50年ほどの『時間』の隔たりは、

私たちが生活する『日本』を、完全に『別世界』へと分けてしまいました。

 

 

事実、

 

 

現時点で20代、30代の方々や、それより若い世代の方々で、

『公的年金』を老後のライフプランの『軸』にしている人は居ませんよね??

 

 

相変わらず、

 

 

マスメディアは、芸能人・著名人のゴシップネタで溢れ返っていますが、

その裏で、『年金支給開始年齢引上げ』の議論がしれっと行われていたりします。

 

 

毎回、毎回、完全に『同じ手』ばかり使われるので、

作戦を理解している人間からすれば、心底うんざりです。

 

 

少しだけ個人情報を公開すると、

 

 

私の実の母親は現在『61歳』を迎えていますが、

彼女でさえ、年金支給開始年齢『65歳』は怪しいと、個人的に考えます。

 

 

単純に考えれば、あと『4年』ほどの計算ですが、

 

 

それほど『近い将来』でさえ、理屈通りに物事が進むか分からない程、

今の、日本の『年金システム』は窮地に追いやられていると考えます。

 

 

それでも、

 

 

この危機的状況でさえ、未だ、過半数の日本人が気付いていないようですが、

『ブラック・スワン』が訪れた時に、ようやく気付いているようでは、遅い。

 

 

ただし、

 

 

私をはじめ、多くの方々がどんなに声高に警鐘を鳴らし続けても、

大半の方々は、『リスク』が顕在化し、挽回不可能になった時点で気付くでしょう。

 

 

それもまた、仕方の無いことです。

 

 

話題を元に戻します。

 

 

前述の通り、

 

 

先日発表された『高齢社会における資産形成・管理指針案』ですが、

この解釈に当たり、世間には大きく2つの相異なる意見が存在しています。

 

 

1つは、

 

 

どちらかと言うと、私と近いニュアンスで、

今後、老後のライフプランニングは『自助努力』でしなければいけないという論調。

 

 

そして、

 

 

もう1つは、もう少し『マイルド』な解釈をしていて、

『公的年金』という軸は変わらず、『余剰資金』を自ら用意するんですよ、というもの。

 

 

皆さんは、どちらの意見が『お好み』でしょうか??(笑)

 

 

後者論を支持する方々の主張としては、次のような流れです。

 

 

『65歳支給、平均寿命まで生きた場合、年金総受取額は6000万円を超える。』

 

 

『政府統計(総務省・家計調査)では、老後生活コスト合計は約7600万円で、

 上記(年金支給総額)との差額約1600万円程度を自助努力で埋めれば良い。』

 

 

『事実、同統計から交際費・娯楽費の合計支出は月約5万円となっており、

 生涯コストの総額としては、この2支出項目の差額を埋める計算になる。』

 

 

以上です。

 

 

確かに、『ふむふむ』と納得してしまいそうですよね(笑)

 

 

上記ロジックには『間違い』は見当たらず、

 

 

あなたが、この『マイルド論』を支持するのであれば、

『月5万円』の余剰収入を老後に確保しておけば良く、

最悪、『娯楽・交際無し生活』を送れば、万事解決してしまいます。

 

 

『めでたし、めでたし』、、、、なのでしょうか??(笑)

 

 

1つの参考意見として捉えて頂きたいのですが、

私自身は、この『マイルド論』とは、完全に異なる意見を持っています。

 

 

どういう事か??

 

 

既に、『勘』が良く、お気付きの方もいらっしゃるかも知れませんが、

『マイルド論』の大前提としては、現行水準の『年金支給』が有ります。

 

 

ここが、『間違いだ』と私は考えているのです。

 

 

確かに、

 

 

(最近、物議を醸す)『政府統計』のデータから『計算』してみると、

『生涯獲得年金』と『老後生活コスト』の差額は2000万円に満たない数字かも知れない。

 

 

しかし、

 

 

まともな『思考回路』をお持ちの方々ならお分かりの通り、

『私たちの世代』で、『現行水準の年金支給』が行われるはずが有りません。

 

 

この辺り、

 

 

『日本財政』の問題も強く関与していくるポイントで、

毎年『赤字垂れ流し』の運営を続けている日本国において、

『年金原資』は、確実に『枯渇』する方向へ進んでいます。

 

 

コア読者の方々はお分かり頂けますが、

 

 

『年間30兆円』を超過し続け、『歳出』全体の3割強を占める『社会保障費』は、

今後も、増大し続けることは有っても、決して減少することは有り得ないからです。

 

 

加えて、

 

 

『消費意欲』の旺盛な『現役世代』の人口は減少していきますから、

『税制』が変更されない限り、国家としての『歳入』も減少し続けます。

 

 

結果、

 

 

上記2センテンスの、とてもシンプルなロジックにより、

『現行年金システム』の破綻は、誰の目から見ても明らかになります。

 

 

それを理解しながらも、

 

 

『国家権力』を最大限行使した『強制徴収システム』がある為、

私自身、『年金保険料』は支払い続けていますが、、、、、。

 

 

確かに、

 

 

『マイルド論』は耳障りが良く、清涼飲料水が如く、

一時の喉の渇きを癒す、『精神安定機能』としては良いかも知れません。

 

 

しかし、

 

 

いくら『現実』から目を逸らしても、何も解決する事は無く、

『リスク』は、顕在化した時には『挽回不可能』になるのが世の常です。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
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【クライアント】
・経営者、医療従事者(医師、看護師、薬剤師 etc.)、会社員(上場企業勤務、若しくは、年収500万円以上)

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