今日のテーマは、『リセッション(景気後退)の火種は、欧州にあるかも知れない』です。
SNS等直接繋がっている方々には情報発信させて頂いていますが、
一昨日、昨日と、2日間だけ東京に出張して仕事をしていました。
元々、
本業:ファイナンシャル・プランナーとしての顧客の方々も、
大阪、神戸を始めとする関西の方以外は、殆どが東京近郊に集中しています。
普段は、
私の活動拠点である大阪まで、面談受講に来て頂いていますが、
昨年から指導した『新規事業』の話もあり、最近は、不定期ながら上京しています。
少し昔の話になりますが、
独立・開業当初に2年間継続した『井上耕太起業塾』というものもあり、
私自身、『資産形成』同様、『ビジネス』という分野も大好きなテーマです。
特に、
日本経団連会長や、国家を代表するトップ企業・トヨタ自動車までもが、
『終身雇用の終焉』を、既に、オフィシャルに発表している世の中です。
この状況で、
『一生安泰』というものは、日本全国どこにも存在するはずがなく、国民一人一人
真剣に『ビジネス(独立・起業・副業・複業)』を考えていかなければいけません。
それは、あなた自身も例外では無いはずです。
7月から定期開催をスタートし、参加者に好評頂いているセミナーですが、
今月の大阪開催は、週末『9月21日(土)18:30から』となっています。
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『ビジネス』をスタートする際、必須となる『税務知識』をお伝えしますので、
ご興味持って頂いた方々は、是非、この機会に有効活用して頂けたら幸いです。
さて、本題に入ります。
昨日の公式ブログでは、
『欧州で展開されるマイナス金利:深掘りという迷走』と題して、
先週、欧州で発表された『ECB(欧州中央銀行):政策金利利下げ』の話題をご紹介しました。
ここ最近、
『米中貿易戦争』『日韓関係』『香港大規模デモ』等が話題に挙がっていましたが、
欧州でも、久々に『エポック・メイキング』となる出来事が発表されたと言えます。
昨日の記事中では、
意識的に、『政策金利の利下げ』という点をフォーカスして書き進めましたが、
実は、それ以上に『問題』となって来ると考えられるのは、その『手法』です。
昨日も少しだけ触れましたが、
今回、『利下げ』と共に決定された事項の1つに『金融緩和』があり、
今後、期間を設けず『月間200億ユーロ(2兆円超)』もの金額を、
市中に供給し続けていくことが決定されました。
そして、
その『供給方法』として、主に考えられている方法というのが、
EU(欧州連合)加盟国が発行している『債券(国債)』を購入し続けていくというものです。
一般的にあまり知られていませんが、
ECB(欧州中央銀行)の『国債買入れ基準』として、
ECBへの『出資比率』の応じて、国債購入額を決定するというものがあります。
この基準を観点とした時、
欧州内における覇権国2トップは『ドイツ』『フランス』の2強であり、
現時点で、この2大国が発行する『国債』は、ECBも大量保有しています。
特に、
『ドイツ』という、世界的に見てもトップクラスの財政健全国については、
高い信用格付けに裏付けされた『国債』が、低金利時代の人気商品であり、
既に、世界市場全体で見ても、かなり買い込まれています。
それに加えて、
今回のECBによる『追加緩和』決定により、更なる『買い込み』が進めば、
『利回りの低下(*勿論、現時点でマイナス金利)』が進行するどころか、
市場での『国債枯渇』すら、現実味を帯びてきます。
実際、
現時点で予想されるペースで『買い込み』が進行すれば、
早ければ2020年末に、『ドイツ国債』は市場から枯渇するとの見方も存在します。
そうなると、
上記『ECB買入れ基準』に適合しない国の『国債購入』も開始しなければならず、
現実には、代替品として『イタリア』を始めとした南欧諸国が買われる事になる。
これは、
明らかな『南欧支援』と取られる可能性があることに加えて、日本同様、
国債買い支えによる『マスキング効果』により、実体経済が消えなくなる恐れもあります。
また、
ECB(欧州中央銀行)『国債買入れ基準』には、もう1つの重要項目があり、
総購入量は、その国家が発行する債券の『3分の1』に留めておく必要があります。
しかし、
冒頭の『金融緩和』を継続する上で、その資金供給を維持していく為には、
この2つ目の『買入れ基準』についても、守られなくなる可能性が高まります。
上記では、
イタリアを始めとした『南欧諸国』の国債をターゲットに挙げましたが、
それら国家に留まらず、規模の小さな『EU加盟国』まで手を出し始めたら危険です。
皮肉にも、
この『迷走決定』を力技で推し進めた『ドラギ総裁』は、今秋でその任期を終え、
追加緩和の始まる11月からは、『ラガルド次期ECB総裁』の就任が決定しています。
いきなり、
前任者が残した『大き過ぎる課題』を抱えたままのスタートとなりますが、
その政策手腕・手綱の扱い方に、世界市場から注目が集まりそうな予感です。
次回の『リセッション(景気後退)』の火種は、『欧州』にあるかも知れない。
世界的覇権国2トップが、表でドンチャンと闘っている間に、
いつの間にか、『欧州』にもその『火種』が着々と仕込まれている事に気付きました。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太