今日のテーマは、『日本経済悪化の兆候は、落書きとして現れる』です。
1ヶ月超、
日本全国に対象拡大して続いてきた『緊急事態宣言』も、
ようやく、『第一弾:終了宣言』が為されるまでになりました。
心なしか、大阪の『人通り』も1週間前よりも多いですね。
勿論、
『全盛期(通常時)』には程遠い感はありますが、
今後、『人間の流動性』も、日毎に増加して行くことが予想されます。
海外諸国、特に欧州の事例を見ても、
今後の流れとしては、『人間の流動性』が活性化すれば、
『新型ウイルス』感染の第二波、第三波が到来することは、避けられない現実。
当然、
方針を決定する上の方々も、その事は理解していると思いますが、
『経済的観点』で考えた時、これ以上の『活動自粛』はリスクを伴います。
この辺り、
世の中、全ての物事に共通していると考えますが、
『デメリット』無くして、『メリット』のみを享受することなど有り得ません。
分かり易いのは、
何かの疾患を治療する際に用いられる『薬剤』で、
主作用とされる『効能・効果』と併せて、必ず『副作用』も存在します。
今後、
『感染拡大』の第二波、第三波の到来を予見していながらも、
『経済活動』を再開させなければならない、苦しい心内が見え隠れします。
既に、
『停滞感』が漂って、暫くの期間が経つ日本経済ですが、
その『悪化』の兆候は、全国における『落書き』の多発という形で現れています。
一見、『関係』は無さそうに思えますよね。
しかし、
『治安』と『都市景観』は、想像する以上に『相関関係』を持っています。
少しだけイメージして頂けたら理解出来ますが、
『高級住宅街』と呼ばれるエリアの壁が、
『落書き』だらけという事は、普通に考えて有り得ません。
反対に、
腐敗・荒廃した都市ともなれば、街中であろうとも、
『落書き』が溢れているイメージは、誰もが持っていると思います。
恐らく、
そのエリアに居住している人間の『質』という点も、
『落書き』というポイントに現れて来ているのでしょうね。
また、
仮に、『落書き』が起こったとしても、
その消去活動を行う『行政的な体力』の差によって、
その『残存率』も、大きく影響を受けると考えます。
4月27日、
普段は『人』でごった返す東京中心部も『閑散』とした中で、
渋谷の象徴『SHIBUYA109』のシャッターに『落書き』が起こりました。
その後も、
全国各地で、商業施設をはじめとした『建造物』は勿論、
『歴史的資産』『自然公園』等で『落書き』が頻発していると言います。
確かに、
全国的な『活動・外出自粛』が続いた事でストレスが溜まり、
『モラル・倫理観』に欠けた人物が、犯行に及んでいるという見方もあります。
しかし、
私自身、これらの犯罪(*)を実行する人物というのは、
『モラル・倫理観』の欠如も当然として有るものの、
『経済的困窮』を示す、1つの指標になると考えています。
*他人の建物に落書きした場合は『建造物損壊罪(5年以下の懲役)』が、
建物でない場合は『器物損壊罪(3年以下の懲役または罰金30万円以下等)』成立の可能性がある、立派な犯罪です。
約12年前、
2008年に、米国・不動産市場に端を発した『金融危機』では、
その直前、全米における『ひったくり犯罪』件数が激増しました。
要は、
『住宅関連費(家賃・ローン)』の支払い不能になった人間が、
『住居』を失い、『経済的困窮』を極めて犯行に及んだのです。
この点について、
早期に注目した、ヘッジファンドマネージャー:ジョン・ポールソン氏は、
不動産市場に対する『CDS』を大量に仕込み『天文学的利益』を得ました。
報道によれば、
今年(2020年)に入ってからの『コロナ関連倒産』は、
日本全国で、その件数として『約150社』程しかカウントされていません。
しかし、
東京商工リサーチ公表のそれ(企業倒産件数)とは乖離があり、
『新型ウイルス』に関連する・しないを考慮しない倒産総数は、
今年に入り『2907件(企業)』に上っています。
更に、
注目すべきは、『前同月比』という数値だと考えていて、
今年に入ってからのそれは、先月(4月)速報値までで、
4ヶ月連続で『対前年同月比+10%超』を記録しています。
つまり、
政府公表の『コロナ関連倒産』というものの数字は、
他の要因を完全排除した『純度』の高いものであり、
実態としては、それを遥かに凌ぐ数の企業が倒産しているという事。
必然、
その企業に所属していた従業員の方々も、職を失っており、
全国的に、『生活困窮者』が急増しているということなのです。
一説によると、
『企業倒産』という観点での第二波、第三波は、少しタイムラグが有り、
『資金繰り』に苦しくなる来月(6月)後半から来るとの予測があります。
そうなると、
日本全国で、これまで以上に『落書き』が多く発生するかも知れません。
厳しい時代が到来していますが、自助努力により、乗り越えていきましょう。
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最後になりますが、
新型コロナ・ウイルス感染拡大に伴う、事態の早期収束・終息と、
ご覧頂いている皆様のご健康を、心より、お祈り申し上げます。
井上耕太事務所
代表 井上耕太