今日のテーマは、『コロナ禍で、マネー・モンスターが世界市場を駆け巡る』です。
昨日の公式ブログでは、
『行き場をなくした日本人マネーは、どこに向かうのか??』と題して、
金融機関口座に眠り続ける、日本国民の『個人資産』をご紹介しました。
先月5月時点、
国内金融機関にある『預金残高』は、
前月(4月)比『+6.2%』を記録しており『約772兆円』。
国内金融機関の『貸出金残高』、前月比『+4.8%』を上回り、
金融機関口座への『資金滞留』が、分かりやすく現れています。
勿論、
金融機関としても、有望な投資先に融資したいのは山々ですが、
経済活動が復活しない現状、簡単には候補を見つけられません。
『個人』としても、
収入・雇用の両面でリスクを感じる方々も多いでしょうから、
なかなか、積極的に『消費行動』を起こせないのが本音です。
『負のスパイラル』に、陥ってしまっていますね。
直近のデータでは、
国内の『現在感染者』が1000人未満を達成して久しく、
日本はじめアジアにおいては『収束感』が出始めています。
しかし、
世界的な『感染者数』は、今月中には1000万人を突破し、
途上国を中心に、これから、本格的な感染爆発が始まります。
言葉が不足したまま、話を展開していますが、
当然、『新型コロナ・ウイルス』の話題です。
活動拠点とする大阪でも、『人』の流動性が回復しつつあり、
来月には、久しぶりの東京出張も復活しようと考えています。
ただ、
グローバルな『人』『モノ』の流動性は、まだまだ回復しておらず、
世界全体としての『経済活動復活』は、暫く先の話になりそうです。
にも関わらず、
以前から、ブログで繰り返しご紹介させて頂いているように、
日本・米国・欧州はじめ『株式市場』は活況を呈しています。
一時期、
2008年以来の『メルト・ダウン』が懸念された日本市場も、
日経平均株価は、3月底値の『1万6000円台半ば』から急回復し、
6月26日時点、終値は『2万2512円08銭』を記録しています。
また、
米国市場『NYダウ平均株価』は、一時2万ドル台を割り込んだものの、
現在では、『2万5000ドル台』を維持するまでに回復して来ました。
先日、
IMF(国際通貨基金)が公表したレポートでは、
世界全体の株式市場に共通して、
大幅に『割高感』を示すデータとなりました。
その要因は、
各国政府・中央銀行が実施する金融緩和政策で、
実に、日米欧合計で『6兆ドル』規模の資金が、
市場に投入されていることになります。
*日本円換算で『約640兆円』にも上る、超巨額資資金です。
当然、
資金の流入先は、『株式市場』だけには収まり切らず、
債券・CP(コマーシャル・ペーパー)市場にも流れ込みます。
その結果、
直近では、様々な信用リスクの債券発行が増加しており、
特に、米国では単月として『過去最高額』を記録しています。
この状況には、
前述のIMF(国際通貨基金)も、眉を潜めており、
『実体経済と乖離している』と警鐘を鳴らし始めました。
普段、
『経済』『金融』という分野を注視していない方には、
この『ヤバさ』が、正確には理解できないと思います。
が、
『実体経済』と関係なく資金供給可能となった現代資本主義では、
簡単に『マネー・モンスター』が暴れ出す環境を作り出してしまいました。
2008年、
『リーマンブラザーズ破綻』に象徴される未曾有の金融危機ですが、
『100年に1度』という表現は、既に正しくないかも知れません。
あれから『12年間』が経過し、
世界市場には、再び『高揚感』が漂うようになりましたが、
『リスク』は2008年当時より確実に高まりを見せます。
まだまだ、
世界は『幻想』に捉われ続けていますが、
2020年現在、既存通貨には裏付けされる価値はなく、
権力者のさじ加減で、簡単に増減できる状態にあります。
先日、
『現代資本主義』における、『金融危機』発生時の対応策は、
『金融緩和』が、常套手段になりつつあるとご紹介しました。
ただし、
これは、決して『根本解決』する為の対応策ではなく、
何とか『急場』を凌ぐ『応急処置』でしかありません。
更に、
その(応急措置)過程で、『リスク』は増幅し続けており、
顕在化した時、経験したことのない『インパクト』を与えることになります。
今、この瞬間も、どんどん増殖しています。
コロナ禍、密かに(?)世界市場を駆け巡っている、
『マネー・モンスター』は、果たしてどこに行き着くか??
破綻の『トリガー(引き金)』となるイベントにも留意しながら、
今後も、注意深く、市場動向を見守っていた方が良さそうです。
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