今日のテーマは、『金融機関(銀行)は、半沢直樹の登場で復活できるのか??』です。
国民的人気ドラマが終了して、半月ほど経過しました。
未だに、『半沢ロス』に陥っている方々もいますよね。
前回放送から『第2弾』となる、今シリーズ。
シリーズ全体を通しての平均視聴率も『30%』を超えて、
最終回に至っては、瞬間『44%超』の驚異的数字を記録。
インターネットの技術革新により、
『情報』を得る媒体が、20年前と比較して爆増した現代、
この数字を叩き出す事は、驚愕レベルの離れ業と感じます。
それだけ、日本国民の関心を一身に集めたことが伺えます。
出演されていた俳優人の演技も、例外なく『特濃』レベルで、
いちいち、キャラ立ちして『フック』が効いていましたよね。
勿論、
それは『フィクション』と認識するからこそ観られる訳で、
現実世界の職場に、そのような人物がいたら相当疲れます(笑)
私自身、
金融機関(銀行)に勤めた経験はありませんが、業種関係なく、
内資系大企業に共通するであろう、『派閥抗争』に関心を持ち、
『どこ会社も、あるあるの話やろうな』と感じていました。
子供の頃、
私たちは、誰しも『正義のヒーロー』に憧れたと思いますが、
年齢を重ねて、『理屈』で片付かないことの存在を知ります。
そして、
人により多少の差はありますが、『長いもの』に巻かれるようになり、
自分自身『身の丈』も理解しながら、人生の『落とし所』を探ります。
少しだけ、寂しい話になってきましたね(笑)
それでも、
だからこそ、日本国民は『半沢直樹』に希望を見出し、
毎週、テレビ前で釘付けになっていたのだと考えます。
そして、
私自身、注目していたのは、『半沢直樹』の登場により、
金融機関の社会的評価が回復するかというポイントです。
過去を振り返れば、
これまでも、その時代を一世風靡したドラマは存在しましたが、
共通して、放送後、該当する職業評価は明らかに高まりました。
『警察官』
『医師 / 看護師』
『ニュース・キャスター』
『検察官』
『パイロット / CA』
などなど。
上記の職業事例を挙げれば、皆さん、1つや2つは、
ヒットしたドラマが、頭に浮かんでくると思います。
果たして、
今回の『半沢直樹』の放送を終えて、上記のラインナップに、
『銀行員』は名を連ねることが出来るのか注目していました。
その結果や、如何に??
コロナ禍、
例年とは異なるスタイルで、学生達の『就職活動』も始まっていますが、
某大手人材会社の調査による、就職人気ランキングが公表されています。
2000年代前半、
『半沢直樹』の舞台となるような『メガバンク』であれば、
全体ランキングで、トップを大手3社が独占していました。
が、
『10年間』を超える時を経て、明らかになった結果は、
まさに、『時代の変遷』をそのまま象徴するものでした。
『三菱UFJ銀行:21位』
『三井住友銀行:35位』
『みずほフィナンシャルグループ:58位』
バブル期を経験された、私たちの先輩世代の方々は、
この結果を、現実として受け止められるでしょうか??
近年では、
上記3行とも、『数万人規模』のリストラ策を公表しており、
国内事業所数についても、明らかに減少傾向が続いています。
私の活動基盤・大阪では、
『みずほフィナンシャルグループ』の象徴だった、
淀屋橋交差点に位置していた支店も、ついに先日、
近隣支店と合併して、移転してしまいました。
『コロナ』の影響に関係なく、
『フィンテック』による技術革新もあり、近年では、
メガバンクも『人』が介在する業務は減少傾向です。
実際の店舗に行く機会がある方々も、そこで働く従業員数が、
直近数年間で、目に見えて減っていることに気付きますよね。
就職活動する学生達も、
中長期的な『人生の決断』の岐路に立っている訳で、
その辺りの事情は、当然、目敏く見透かしています。
ほんの10数年前まで、
就職活動の『花形』の一角を担っていた金融機関ですが、
2020年現在、看板は地に落ちつつあるのが現実です。
これが、
『メガバンク』ならまだしも、『地方銀行』となると、
それに対する世間からの評価は、更に厳しくなります。
当然、
『地方銀行』も、メガバンク同様に『リストラ』は進行しており、
それに加えて、吸収・合併による再編の火種は常に燻り続けます。
業界全体として、
年々、『人(バンカー)』の数は減少し続けているのが現実で、
この傾向が、今後『逆回転』することは、まず考えられません。
そして、
転職市場では、『金融機関(銀行)』に限った話ではないでしょうが、
『使い物になるのは、10分の1』ということが、定説化しています。
転職市場で求められるのは、
決して『ジェネラリスト(なんでも屋)』ではなく、
一芸に秀でた『スペシャリスト(専門家)』だ、と。
2020年、
1つの社会現象を巻き起こしたドラマ『半沢直樹』ですが、
業界に『プラス』の影響を及ぼすことは有りませんでした。
時代は、明らかに『変化』している。
私たちは、その『事実』をしっかりと認識する必要があります。
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代表 井上耕太