今日のテーマは、『あなたは、株式市場の【下落】を喜ぶことが出来ますか??』です。
久しぶりに、株式市場が『劣勢』に立たされていますね。
日本時間昨夜(2月25日)、米国市場『NYダウ平均株価』は、
前日比として『500ドル超安』を記録して取引を終えています。
その結果を受けて、
本日の日本市場も大幅に下落してスタートし、『日経平均株価』は、
前日比『1202.26円』安、約5年ぶりの下落幅を記録します。
恐らく、
この後に開く、本日(2月26日)の米国市場も同傾向がつづき、
久しぶりに、『一週間』を通した期間でも下落して終えそうです。
今回、
株式市場が『下落』した要因となったのは、債権市場が回復し、
各国『長期債権』の利回りが、急上昇している局面にあるから。
実際、
米国のそれ(10年もの新発国債利回り)は『年率1.60%』まで回復し、
歴史的低水準だった『1%未満』から、今月に入り急激な上昇を見せます。
また、
米国債と比較すると、かなりショボく見えてしまいますが、
現在、日本のそれは『年率0.160%』付近を推移します。
欧州同様、
マイナス金利導入から、長期債権利回りも『マイナス化』し、
先日まで『ほぼ0%』だったことを考えると、これも急上昇。
悲しい哉、『1桁』違いますが、動向はまったく同水準です。
より掘り下げると、
このタイミングで『長期債権利回り』が上昇している要因は、
『新型ウイルス』問題に、世界的な解決の兆しが見えたこと。
日本においても、
先週『ワクチン接種』がスタートしましたが、集団免疫含めて、
世界的な『経済循環』回復に向けた見方は『ポジティブ』です。
その結果、
これまで、抑制された『利回り』の上昇が期待されるようになり、
辛酸を舐めた『債権市場』に、資金の流入速度が増している状況。
もちろん、
その原資は、世界諸国が行う『異次元緩和マネー』が流入し、
これまで一人勝ちしてきた『株式市場』からの撤退資金です。
また、
『長期債権利回り』の上昇は、さまざまな観点から、
ボディブローが如く『株式市場』に影響を与えます。
何故なら、
市場全体の『金利上昇』は、企業の経営環境に影響を及ぼし、
多くの場合は、『収益性の悪化』に繋がるケースが主だから。
実際、
世界共通に、企業は市場から資金調達して経営を進めるので、
『利回り』が上昇すれば、資金調達コストも必然上昇します。
仮に、
『売上額』が同じであれば、コスト上昇は『収益減』を意味し、
企業業績の悪化(低下?)により、株価は『下落』に転じます。
増して、
直近では『債権市場』が活況を呈してきていますから、米国債の場合、
無リスクで『年率1.60%』が得られるなら、資金はそちらに流れる。
市場では、
米国・長期債権利回りが、2021年末を待たずして、
『年率2%』を回復するという見方も強まりを見せる。
そうなると、
いよいよ、資金の『潮流変化』も加速することになり、
株式市場は、一旦調整を余儀なくされるかも知れない。
高揚感が蔓延していた『パーティー』も、一時休止ですね。
しかし、
皆さんにお聞きしたいのは、この状況(株式市場下落)を、
『心から、歓迎することができますか??』という事です。
不謹慎かも知れませんが、私自身、喜ばしく感じています。
もし仮に、
私が人生の晩年にさしかかり、『保有資産』を確定させて、
取り崩し的に使っている状況なら、そうは考えられません。
しかし、
現時点、まだ30代半ば、積極的に積み上げる局面において、
株式市場の『下落』は、願ってもいない『好機』と言えます。
そもそも、
半年以上の記事を読み返していただけたら分かることですが、
私自身、市場の低迷を『2021年末』まで望んでいました。
10年以上前、
サブプライム・ショック発生時の相場から学んだことですが、
経済危機が起こり、下落幅が大きいほど、反動も大きくなる。
そして、
軍資金を投入するのは、市場が低迷している時ほど好都合で、
『仕込み』の時期は、年間単位確保できるなら、尚良しです。
しかし、
その願望虚しく、昨年の『株式市場』は急回復を見せて、
『実体経済』と乖離した、上昇相場を形成していました。
確かに、
そのまま『実体経済』が回復しても、一段上昇は期待できますが、
どこか、『チャンス』を拾い切れなかった『切なさ』が残ります。
例えるなら、
野球の攻撃で、『無死満塁』の絶好機を迎えていたのに、
『1点』を取って、イニングが終わってしまったような。
『もうちょっと得点出来たよな』と、欠乏感しか残りません。
ただ、
ここに来て、『株式市場』の下落要因が出てきたことにより、
幸運な事に、再び『仕込み』するタイミングが再来しました。
一時的な『相場下落』は、むしろ『ウェルカム』です。
あなたは、株式市場の【下落】を喜ぶことが出来ますか??
それが、心から喜べるようになって初めて、
あなたの『投資家人生』がスタートします。
井上耕太事務所
代表 井上耕太