今日のテーマは、『投資の定説、株式比率は100ー年齢の計算式で導かれるは正しいか??』です。
世の中に、
『投資の定説』なるものは幾つか存在すると思いますが、
タイトルに取り上げたことも、代表的なものの1つです。
それは、
あなたの保有資産総額に占める有価証券(株式)割合を、
100ー年齢で算出される数字を基準値に決定するもの。
これを基に計算すると、
各年齢の株式比率は、20歳で80%、30歳で70%、
50歳で50%、80歳で20%が適切という事になる。
同様の指標は、
不屈の名著『ランダムウォーカー』にも記載されていて、
年代ごとの株式比率はほぼ同等の数字(*)で示される。
*20代80%、30−40代70%、50代57.5%、
60代でも55%のリスク資産配分が適切というもの。
果たして、この『投資の定説』は本当に正しいだろうか。
もちろん、
これはマス(不特定多数)を対象とする一般論としては、
正しい方向へ導く指標といて支持されるべきと考えます。
事実、
保有資産のほぼ100%を現金保有する日本人にとって、
80歳で20%の株式保有を勧めることは衝撃ですよね。
しかし、世界標準の思考回路は日本人のそれと真逆です。
何故なら、
緩やかなインフレが前提条件にある現代版資本主義では、
リスク資産を保有しないことは完全な負けゲームだから。
言うまでもなく、
キャッシュ(現預金)は新たな利益を生まないどころか、
緩やかなインフレ下では、年々その価値を減少させます。
これは、
預金通帳に記載された数字を眺めるだけでは認識できず、
経済の基本、序章程度の本質を理解する必要があります。
話を戻すと、
保有資産の株式比率は100ー年齢が適切という定説は、
個別要因によって、正しい場合と正しくない場合がある。
先ず1つは、
保有資産が基準値を満たす必要があり、控え目に見ても、
そのミニマム(最低)は『1000万円』程が適切です。
冷静に考えてみれば当然で、総資産100万円に対して、
リスク資産に80万円を充当するのは完全にギャンブル。
お遊びの人生ゲームならゲーム・オーバーで済みますが、
現実世界でそれをやると、再起不能な致命傷を負います。
もう1つは、
保有資産に占める株式比率は、単純に『年齢』ではなく、
『運用可能期間』がどれ位あるかで決定すべきという点。
定説にある、
20歳のリスク資産(株式)割合が『80%』あるのは、
運用期間が長期な為、株式変動を引受けられるからです。
実は、
これに『年齢』は関係がなく、資産を引き継ぐ人がおり、
長期運用が可能な人は戦略を維持することが合理的です。
事実、
資産形成(投資)をスタートした20代前半はもちろん、
40歳を目前に控えた、現時点の私のリスク資産割合も、
全体に対して『約90%』の水準を維持し続けています。
そして、
運用期間をより『長期』において資産形成に臨めるが故、
再現性を持って、保有資産を高めていくことが可能です。
自らにとって、
最適な『リスク資産配分』はどの程度の水準にあるのか、
定期的にチェックすることも経済的成功に欠かせません。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太