今日のテーマは、『1米ドル=160円に再び近付く為替市場で、私たちが受け入れるべきこと』です。
大納会、
最終取引日を迎えた日本市場ですが、有終の美は飾れず、
先週末から反落、日経平均4万円割れで終焉しています。
それでも、
年末終値としてバブル期に記録した最高値は更新した為、
元号平成から続いてきた『失われた30年』を取り戻す、
足掛かりになったとポジティブに評価すべきでしょうか。
ただ、
個人的に気になるのは最後に失速した株式市場ではなく、
対ドルで160円を射程圏に捉えはじめた為替市場です。
じわじわと静かに、しかし確実に下がって来ていますね。
12月30日現在、
対米ドルの為替レートは158円を超えて推移しており、
およそ5カ月ぶりとなる『安値圏』へと突入しています。
これに対して、
加藤勝信・財務相は口先介入で市場を牽制していますが、
実弾切れを見透かしてか、抑止力は殆ど働いていません。
今年の半ば、
一時期それは139円台に突入する場面もありましたが、
その状態は切な的なものでその後も速やかに円安シフト。
そして、
2024年、年間トータルで見た時の平均為替レートは、
対米ドルとして150円のラインを超えるのが実情です。
すでに、
2022年以降この傾向は約3年続いていることになり、
私たちにとって、珍しいという感覚も薄れ始めています。
振り返ると、
私自身が資産形成(投資)をスタートした16年ほど前、
対ドルの為替レートは『80円台』で推移していました。
2008年、
サブプライム危機の象徴、リーマンブラザース破綻直後、
『有事の日本円』という言葉が完全に機能していた時代。
もしその当時、
『日本円の価値が半減する時代が来る』などと述べたら、
素人意見として、笑われてしまっただろうと想像します。
しかし、時を経てそれが『現実』として存在しています。
一つの習性として、
私たちは、現在、若しくは意識した時点を参照点として、
自らの経験に最大の比重を置いて物事を測ろうとします。
ただ、
当然ながら金融・経済の歴史は私たちの生涯以上に長く、
人生を生きるプロセスでは『未経験の事態』に直面する。
つまり、
意識・無意識に関わらず、『常識』と感じていることは、
正しくは、一時的に成立した現象に過ぎないということ。
為替の話に戻ると、
海外諸国と比較した際、日本の相対的国力を考慮すると、
日本円の価値が再び高まる時代が来ることは想像し難い。
私見では、
現状は円安でもなんでもなく、日本の世界的な立ち位置、
プレゼンス(存在価値)を適切に表したものと考えます。
そして、
これから、数十年単位で続くであろう人生を見渡した時、
さらに円の価値が下落する時代が来る可能性も十分ある。
保有資産は『日本円』だけにフルベットしてはいけない。
今更ながら、資産形成における鉄則を再認識しています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太