今日のテーマは、『それでも、私たちは社会保障が崩壊する国で生き延びなければならない』です。
昨日の公式ブログでは、
『なぜ愚かな人ほど第3の税金を支払うのか』と題して、
困窮した人たちが持つリスク追求の性質を紹介しました。
少しだけ振り返ると、
99.99%の確率で100万円の賭け金を失う代わりに、
0.01%の確率で1億円得るギャンブルがあるとします。
この時、
既に金融資産『1億円』という基準を達成した人たちは、
ほぼ100%の確率でお金を失うオファーを受けません。
しかし、
所持金を掻き集めてギリギリ100万円を持つ人達ほど、
一縷の望みを賭けて虎の子の資金を投入してしまいます。
何故なら、
その場にステイしても人生の『負け』は確定している為、
たとえ僅かでも逆転の可能性があるものに縋りたいから。
因みに、
例示した事象の期待リターンは1万円と求められるため、
賭金100万円のオファーは応じてはいけないのですが。
それでは、
冷静に考えると馬鹿げているように感じられることでも、
なぜ、世間にギャンブル志向の人が溢れるのでしょうか。
もちろん、
原因は様々あるでしょうが、破綻へと向かう社会保障が、
国民の大多数を苦しめていることも大きいと推測します。
例えば、
発足当時で6.4%からスタートした厚生年金保険料率は、
80年の時を経て、現在は18.3%まで上昇しています。
(*厚生年金の制度発足は終戦間近の1942年のこと)
この間、
2003年に一時的な保険料率の引下げが行われますが、
それまで除外されてきた賞与まで徴収対象とされたもの。
収入全体に占める負担率は一貫して増加し続けています。
並行して、
健康保険料率も右肩上がりで大台10%を突破しており、
介護保険料率も2%を射程圏に捉えるまで増加している。
そして、社会保障の国民負担増大は今後も止まりません。
その原因は明白で、
日本人全体における年代別の人口構成シェアを指し示す、
『人口ピラミッド』が大きく歪んでしまったということ。
総務省の公表では、
1945年当時、わずか5.1%程だった高齢者の割合は、
2023年時点30%に肉薄する水準に激増しています。
さらに、
今から、およそ四半世紀後の未来となる2050年には、
日本の高齢化率は4割に迫るところまでが既定路線です。
この状況で、
年金・健康保険制度をはじめとした社会保障システムが、
『崩壊することはない』などとなぜ言えるのでしょうか。
2024年以降、日本国民を厳しい局面が待ち受けます。
それでも、私たちは生き延びていかなければなりません。
自暴自棄にならず、腐らず、決して勝負を諦めたりせず、
冷静な判断力をもった舵取りが一人一人に求められます。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太