今日のテーマは、『住宅ローン金利の上昇に見る、米国市場に忍び寄る不気味な足音』です。
FRB(米連邦準備理事会)による政策金利利上げが続き、
それに伴い、米国社会全体で様々な金利が上昇している。
去る8月17日、
フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)公表によると、
30年固定の住宅ローン金利は、全体平均で『7%強』。
2002年以来、約21年ぶりの高水準をつけるに至る。
前述の通り、
FRBによる金融の引き締めが長期化されるとの観測から、
償還期限の長い債券の利回りが、全体的に上昇している。
コロナ禍、
一時『3%』を割り込むまで下落した住宅ローン金利は、
2022年11月時点『7.08%』を付けるまで急上昇。
その後、
一旦落ち着きを見せていたが、今春からじりじり上昇し、
再び『7%』を突破する水準にまで回復(?)してきた。
さらに、
今後は経済動向により『8%突破』の可能性も示唆され、
実現すると実質的に住宅市場は『凍結』すると言われる。
つまり、
ローン金利が『8%』を超えるような水準にある社会で、
住宅を購入するような『カモ』は誰もいないということ。
実際、
現行水準でも、金利上昇は住宅購入意欲を冷ましており、
中古市場の住宅供給も減少、2年近くも前年割れが続く。
そして、これは決して住宅市場だけの問題に留まらない。
社会全体として、
凡ゆる金利が上昇することで、全ての経済活動は減速し、
米国内でも、実際の消費意欲はすでに冷え込みを見せる。
しかし、
様々なパラメータ(変数)が、複雑に絡み合う社会では、
奇妙なことに、諸々の経済統計は堅調さを維持し続ける。
結果、
『金利』も高止まりする状況が続くが、それは必ずしも、
米国経済の実体(本来の姿)を反映していないと感じる。
余談になるが、この状況は株式市場にもマイナスに働く。
何故なら、
30年債が年4.43%、10年債が年4.32%の世界で、
リスクを取って株式市場に資金投入する人も少ないから。
堅調すぎるデータと裏腹に、米市場にリスクが忍び寄る。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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