『原油安』に潜む真の問題点★

『資産形成スペシャリスト』、井上耕太です★

今朝の紙面では次の記事が踊ってました。

『産油4ヵ国、原油増産凍結で合意』

サウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラ、

以上の4ヵ国が原油生産を1月水準で凍結するというもの。

表題だけパッと見るとわかりにくいですが、

要は今後は『増産』せず供給量を調整しよう、ということです。

しかし、その『増産』の基準となるのは、

過去最大産油量を誇る今年の1月期のもの。

決して、『減産』ではないこと。

また、経済制裁を最近終えたイランは、

今後も相変わらず『増産』意向を見せているので、

今回の4ヵ国協議もなし崩し的に流れる可能性が高い。

産油国各国が横の『牽制』のし合いです。

・原油価格を上昇させる為には、生産調整する必要がある。

・でも、自国だけが『減産』したら、他国にシェアを奪われる。

とてま悩ましいジレンマに陥っています。

今回の発表を受けても、

市場は先行きの不透明感に懐疑的で、

原油価格も思ったほど反発しませんでした。

『原油安』の問題も、まだまだ燻る。

ところで、『原油安』自体は問題でしょうか??

『いや、問題やろ!』という方は、

何故そうなのか説明できますか??

僕自身は、それ自体は問題ではないと考えます。

『原油』に限った話ではありませんが、

全ての取引は『需要』と『供給』により価格が決まります。

『需要』に対して『供給』が少なければ価格は上がり、

『需要』を超えた『供給』がなされれば価格は下がる。

とても、シンプルな理屈です(^_^)

ある新市場が生まれたとき、

その『供給者』が少なくて価格が高騰することは多々あります。

しかし、新たな市場参加者が増えることで、

その供給価格も次第に均されていく。

『供給者』が十分出揃ったら、

次は『低価格競争』が始まりますよね。

大阪淀屋橋のオフィス街なんて、

質が良くて格安ランチのオンパレードです。

とても、普通なこと★

『原油』に関しても例外ではありません。

世界経済の停滞から、『需要』が低くなってる。

と言うか、全体のパイから考えたら限界は必ずあります。

それに対して、『供給者過剰』になってるから、

現在のような『価格安』になってます。

でも別に、これ自体は問題ないよね??

消費者としても物価は抑えられるし、

事実、日本の生活コストが上がってないのはこれが原因です。

『供給者』サイドも、そんなことわかってて参入してきた。

全体のパイは決まってるから、

それを承知で少ない分け前にあやかりに来た。

どんな業界でも、往々にしてあることです。

しかし、そう楽観視していられない事態が出てきた。

石油企業の3分の1が、

年内に破綻の可能性を秘めているそうです。

10年超ぶり水準への急激な価格下落に対応出来ず、

コスト・人員カットでは収益回復が間に合わないそう。

エネルギー系世界上位500者のうち、

実に175社が年内に経営破綻のリスクにあり、

その負債総額は『約1500億US$』。

現在レートで換算して、『約17兆円』の巨額負債です。

大きい所が1個いったら、

バタバタバタっと一気に続く可能性も秘めてます。

また、世界の『お金』が吹っ飛ぶ。

『ドイツ銀行』に端を発する欧州問題然り。

今年もまだまだ、

いろいろな経済変動がありそうな年です。

皆さん、心の準備しておこう(^_^)★