今日のテーマは、『全体約6%の上場企業の会社員が勝ち組になれない、もう1つの理由』です。
意図せず、
今週はGDP、実質賃金、平均給与等を事例に挙げる形で、
私たち日本人が置かれている厳しい立場を紹介しました。
確かに、
テクノロジー発展により生活の利便性は向上したものの、
経済的な豊かさを実感するレベルにある日本人は少数派。
特に、
海外諸国と比べた際の相対的ポジションは後退しており、
とっくの昔に先進国トップグループから陥落しています。
その証拠に、
多くの方々が『下』と見るアジア諸国も直接足を運べば、
目を見張る発展を遂げているというケースも散見される。
もはや、アジア諸国は私たちと同じ暮らしをしています。
既に、
日本は10年以上も前からキャッチアップされているか、
場合によっては、完全に抜き去られているのが現実です。
栄枯盛衰、例外なく、自然の摂理からは逃れられません。
本題に入ると、
昨日『勝ち組』と表した全体6%の上場企業の会社員も、
現実を知れば知るほど、言葉とは乖離が大きくなります。
むしろ、煽りを最も受けるというのが真理かも知れない。
先日、
報道されたニュースで目を引かれたのは、厚生労働省が、
基礎年金の底上げ策の本格的な検討に入ったというもの。
ご存知の通り、
少子高齢化が異次元レベルで進行している日本において、
担い手(現役世代)は想定以上のペースで急減しており、
システムを維持・存続させることすら危ぶまれています。
実際、
先月公表された、年金財政検証の楽観論を以ってしても、
30年後の年金額は現行の給付水準から約2割マイナス。
この減額により、
現在さえ36.2%と低迷する現役世代との所得代替率は、
2057年時点、25.5%まで落ち込むと予想されます。
今回、
基礎(国民)年金の減額阻止として検討されているのは、
会社員の方々が拠出している厚生年金積立金の活用です。
ものは言いようで、
『財源確保』と表現すればもっともらしく聞こえますが、
要は、ない所からある所に補填する自転車操業に等しい。
以前から、
政権ごとに施されてきた、場当たり的な応急処置により、
ゾンビ化した年金システムは辛うじて延命してきました。
会社員の場合、
年金保険料は泣く子も黙る『源泉徴収』で実行される為、
負担の担い手としてこれ以上の適任者は存在し得ません。
もちろん、
彼ら・彼女らの負担が少しばかり(?)増えたとしても、
私たちの老後生活は安泰と程遠いというのが現実ですが。
2024年以降は、日本全体として冬の時代が到来する。
やはり、今の日本に『勝ち組』という人は存在しません。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太