今日のテーマは、『約20年ぶりの水準、日本円の円高回帰は起こり得るか??』です。
時間も限られるため、早速、本題に入りたいと思います。
6月7日の外国為替市場は、我らが『日本円』が続落し、
一時『1米ドル=133円台』まで円安が進行しました。
実に、2002年4月以来、20年ぶりとなる水準です。
2002年と言えば、私自身高校3年を過ごしていた年。
時間の流れを感じると共に、状況の深刻さを感じますね。
今年3月、
金利差の拡大が確実になり、急激に円安進行し始めた際、
今夏の為替ターゲットは『135円台』と示されました。
恐らく、
当時『1米ドル=115円前後』を推移している状況で、
その目標値は、世間的に信憑性に欠けるものだったはず。
それが、直近の同行では、完全に現実味を帯びています。
一般的に、
為替の話題では、基軸通貨『米ドル』が注目されますが、
覇権国に追随したユーロに対しても、日本円は劣勢です。
更に、
大きな注目は集めませんが、『資源国通貨』に対しても、
対基軸通貨(米ドル)以上に価値の下落を見せています。
反対に、
『外貨資産』を保有する方々にとっては、直近の状況は、
『日本円建資産』を大きく膨らませることになりますが。
現在の為替動向は日本のウィークポイントを露呈します。
果たして、将来的な『円高回帰』は有り得るでしょうか。
1つずつ整理すると、
先ず、基軸通貨特権を保有する『米ドル』は別格であり、
前提条件が覆らない限り、形勢の逆転は起こり得ません。
次に、
連合として、巨大な経済圏を保有する『ユーロ』ですが、
経済規模、国債決済に占める割合も米ドルに次ぐ第2位。
現在の状況そのままに、こちらに勝負を挑むのも厳しい。
ただし、
経済的に不安定な国家(ギリシャ、南欧)も含まれる為、
歪みが拡大する『リスク』を孕んでの運営になりますが。
前述の通り、
オーストラリア、カナダ等の『資源国通貨』が強いのは、
現在のように世界が『有事』に直面する場面ほど際立つ。
残りは、
政治・経済とも不安定な『途上国通貨』との戦いですが、
その勝負に勝利したとてアドバンテージは得られません。
基本的に『日本円』が強さを取り戻す選択肢は次の4つ。
①覇権国・米国から『基軸通貨特権』を何とか奪取する。
何らかの理由で、『軍事力』が飛躍すれば有り得ますが、
天変地異でも起こらないかぎり、現実味は低いでしょう。
②近隣(アジア、環太平洋)諸国連携でブロック経済化。
米国、欧州連合匹敵(若しくは凌ぐ)の経済圏を創造し、
国債決済における『日本円シェア』を、一気に高めます。
③未知なる埋蔵資源を発見して、世界的な『資源国』に。
こちらも、現実化すれば、一気に形勢は逆転出来ますね。
④大戦後の復興期や、高度経済成長時代を彷彿とさせる、
『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の技術力革新の再興。
これにも、周辺地域に戦争特需等の要因も不可欠ですが。
上記選択肢中、
唯一日本にとってコントローラブルな選択肢は④ですが、
産業空洞化が起こる昨今、そんな時代も終焉しています。
一昔前であれば、
『対外純資産』の保有額世界ナンバーワンという一択で、
有事の際の『日本円』を、推していくことが出来ました。
しかし、
その効力も、直近では、まったく機能しなくなっており、
理屈としては、世界市場で『日本円』の劣勢は続きます。
恐らく、
今、私たちが経験するのは『一時的な現象』ではなくて、
歴史的に見て、為替変動の『転換点』になっているはず。
きっと、そのように、認識を改めることが求められます。
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