今日のテーマは、『SNS界隈に楽して儲ける案件が溢れる社会に神様・バフェット が鳴らす警鐘』です。
スマートフォン・SNSの普及により情報通信技術が高度に発達した社会で、特に今の若者たちは、私たちが若かった頃とは比較にならないほど膨大なリスクに晒されて生きていると日々感じます。
実際、メディアでは『闇バイト』や『特殊詐欺』等を扱う報道が連日溢れ返っていて、それらの罠に落ちてしまうことは、私たち昭和生まれの世代が考える以上に容易いものだと想像させます。
以前、20歳前後の若者たちと話をしていて驚愕したのは、彼ら・彼女らは日常的に犯罪情報(闇バイト・特殊詐欺)にアクセスしていて、それらの違法性についてきちんと認識しているということ。
予め断っておくと、非行に走る少年少女ではなく『一般的』という言葉で表現できる若者たちです。
そして、甘い話(罠)に手を出さずに踏み留まるか、誘惑に負けてダークサイドに落ちてしまうかは、完全に個々人のモラル(倫理観)に照らし合わせた判断に任されているというのが実情です。
国内に約300万人の利用者がいるとされるオンライン・カジノ問題もさることながら、社会全体として莫大な数の人たちがリスクと背中合わせで日々生活していることが推測されます。
誤解を恐れず言うと、多少の程度の差こそあれ、世の中すべての人たちの心の中に『楽して儲けたい』という思いは存在していると考えます。
もちろん、世の中のすべてを『お金』で解決することは不可能ですが、人生を快適に生きていく上で『有効なツール』であることも間違いなく事実だからです。
私自身、20代半ばから資産形成(投資)をスタートした1番の理由は、40歳までに経済的自由を実現して、自らの人生に主導権を取り戻したいという想いがあったから。
幸運にもそれを実現できたのは、運良くダークサイドに落ちる選択を回避できたことと、元来地道なことを善とする性格で、派手なこと・浮いたことを嫌う気質が良い方向に働いたからだと考えます。
2020年、コロナ禍ど真ん中の株式市場で注目を集めた話題に、神様ウォーレン・バフェットが日本の5大商社株(伊藤忠・三菱商事・住友商事・三井物産・丸紅)を取得したというものがあります。
これまで、半世紀を超える投資家人生においてスルーされ続けてきた日本市場に神様(バフェット)が、CEOを務めるバークシャー・ハサウェイ社を通じて初めて投資をしたことは歴史的出来事として受け止められました。
その事実(日本の5大商社株取得)は同社の株主総会で公表されましたが、顕在化前の1年間をかけて総額138億ドル、当時の為替レートで約1.5兆円に相当する巨額資金が投じられていたのだとか。
ちなみに、昨年(2024年)末時点、それらの時価総額は約235億ドルまで上昇しており、米ドル換算で100億ドル近く、日本円換算で約2兆円もの巨額な含み益を抱えるまでに成長しています。
そして、神様・バフェットが日本の5大商社株を取得する最初のきっかけになったのは、投資家にとっては初歩的な参考書の一つとされる会社四季報(英語版)であったということも有名な話です。
バークシャー社の株主総会の席上、バフェット氏は『小さなハンドブック(四季報)の中に、驚くほど馬鹿げた安価で売られている5社の商社株があった』と述べています。
つまり、同氏が(超)巨額を得ることとなった投資の情報源は、限られた人間だけに知らされていた特別な情報ではなく、私も含めて誰でもアクセスが可能な『基本情報』だったということです。
神様・バフェットの格言で本質的な学びを得られるものは数多ありますが、次に挙げさせて頂くフレーズも、私が20代半ばに出会ってから心に残り続けているものです。
『コートの中央で大きな利益をあげられるのに、なぜライン際(若しくはコート外)でイカサマをする必要があるのか?』
世の中に膨大な『リスク』が溢れて、日々それに晒されて生活する現代社会だからこそ、再び地に足を着けた感覚を取り戻し、基本行動を徹底しようとするスタンスが求められています。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太