今日のテーマは、『高校野球選手権(夏の甲子園)から学ぶ、資産形成・ビジネスの極意とは』です。
聖地巡礼。
今週は時間的に余裕があり、高校野球選手権(夏の甲子園)を2日間も現地観戦しました。
準々決勝・準決勝の計6試合はいずれもハイレベルな手に汗握る接戦で、高校球児が真っ直ぐな想いで白球を追う姿にはただただ感動。高校野球の良さを改めて感じる良い機会となりました。
それでも、職業柄、観戦しながらも資産形成(投資)・ビジネスに通じる学びはないかと考える癖は抑えられません。
その甲斐あってか、今回も大きく2つの『教訓』を得ることが出来ました。
1つ目は、物事が順調に進んでいる時は、自らドラスティックに変化を起こしてはならない。
資産形成(投資)においても、ビジネス(事業)においても、好調な時は、基本スタンスを大きく変えてはいけないというのが鉄則です。
もちろん、小さな変化に応じて微調整は必要ですが、根本を変えてしまうと一気に歯車が狂います。
ある試合で、このようなケースがありました。
そのチームはエース投手の疲労を考慮して2番手投手が先発を務めたのですが、当初5イニング(前半)を抑えれば御の字と考えられたものの、軟投派のテンポ良い投球がハマり被安打1の完璧な投球をしてしまった(?)のです。
実は、このようなことは高校野球(特に甲子園出場の強豪校)ではあるあるで、前日練習でエース対策に照準を絞っていたところ、全くタイプの異なる投手が出て来て攻め倦ねることはままある。
しかし、この試合では監督が判断を誤り、あろうことか、あっさりと6イニング目(後半)からエース投手に切り替えてしまいました。
相手チームからすれば、全く相性の合わなかった投手が引っ込んでくれたばかりか、前日練習でしっかりと対策(予習)をしたピッチャーが労せずして出て来てくれた訳ですよね。
この選手交代(方針転換)の瞬間に『大丈夫か?』と案じながら観戦していましたが、予想は的中、相手チームは一気に息を吹き返して4点のビハインドを追いついてしまうという事例がありました。
やはり、万事上手くいっている時は(微調整は良いが)根底から変化を起こしてはならない。
2つ目の教訓は、正しい判断をする為には『周囲の雑音』を排除する必要があるということ。
日本において、高校野球の人気は年々加熱する傾向にあり、特に選手権大会(夏の甲子園)ともなると注目選手にターゲットを定めてメディアは過剰に騒ぎ立てます。
しかし、冷静に考えれば当たり前ですが、野球はチームスポーツ(団体競技)であり、どの代表校もその注目選手一人の力で地方大会を突破してきたという訳では決してありません。
それどころか、経験者から見れば分かることですが、その試合における勝利チームのキーマン(重要人物)が注目選手とはまったく別の選手だったりすることはザラにあります。
にも関わらず、メディアは事実を歪めて報道するのが仕事ですから、真の貢献者にスポットライトを当てることなく、注目(視聴率)を集められるように『特定のヒーロー』を仕立て上げるのです。
悲劇的なのは、その報道に指揮官(監督)が幻惑されてしまい、冷静で客観的な判断が出来なくなり、指揮(選手起用)において明らかな誤りを冒してしまうということ。
この人為的ミスを最小限に留めるには、選手だけでなく大人(監督・コーチ・部長等)も含めたチーム全体として、大会期間中はすべてのメディアを遮断するという方針が得策かも知れません。
投資の世界では有名な話ですが、神様ウォーレン・バフェットは『オマハの賢人』という異名を持ち、一般的には金融の本場とされるNY・ウォール街から距離を置くことで知られています。
その理由は『雑音を排除するため』だと答えており、歪んだ情報の暴露を最小限に留めることで、冷静な視点を保って、正しい投資判断ができるようになると語っています。
やはり、全ての物事は本質的に繋がっていて、どこからでも学びを深めることが出来る。
高校野球観戦で得た2つの教訓も、資産形成・ビジネスに直結すると強く感じました。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太