今日のテーマは、『セルフレジ導入により、客数・売上が減少する報道は真実を表すか』です。
久しぶりに『公的年金』以外のテーマで記事を書きます。
先日、興味を惹かれる報道を目にする機会がありました。
それは、
英国の小規模スーパーマーケット・チェーンが決定した、
セルフレジを撤廃して有人レジを設置し直すというもの。
理由としては、
セルフレジは顧客から不評(遅い・信頼性に欠ける)で、
長年寄せられ続けてきた問題を改善したのだと言います。
また、
北米で展開する大規模ディスカウントチェーンも同様に、
2万店に迫る全店舗でセルフレジを撤廃することを公表。
実際、1万2000店でセルフレジ撤去が完了しました。
別の調査では、
某チェーン店で有人レジ店・セルフレジ店を比較した所、
前年同月比として、後者は客数が約2%減少していたと。
さらに、
前者(有人レジ店)後者(セルフレジ店)の売上比較で、
両者に『1.1%』もの乖離が生じていたと報じています。
果たして『有人レジ優勢』の報道は真実なのでしょうか。
もちろん、
これらのデータ・調査結果は、1つの真実と考えますが、
これを以て全ての事例に当て嵌めるのは無理があります。
皆さんも感じられる通り、
あらゆる分野でオートメーション化がすすむ現代社会で、
セルフレジを完全撤廃することは時代に逆行しています。
実際、
東京・大阪等の大都市圏を中心にそれは浸透しつつあり、
問題なく機能すればそれは非常に有効な手段と感じます。
私自身、
某100均チェーンの都心部・大型店舗を利用しますが、
約20台のセルフレジがフル稼動してくれているお陰で、
利用客は多いにも関わらず会計で待つ経験がありません。
オートメーション化が奏功している、典型的な事例です。
それでは先ほど紹介した調査結果はウソなのでしょうか。
決してそうではなく、
接客能力が高く、心地良いサービスを提供するお店では、
その原理(無人化で客数・売上減少)が働くと考えます。
先日、
10年ぶりに某ハンバーガーチェーンを利用しましたが、
スタッフ全員の接客能力が高く、驚く場面がありました。
もともと、
提供される料理が『美味しい』ことは熟知していたので、
直近1、2ヶ月このお店を理由する頻度が増しています。
仮に、
このお店に『セルフレジ』が導入され、無人化されれば、
私自身も足は遠退き、客数減少することが予想できます。
反対に、
某マクドナルドがセルフレジを導入して自動化されても、
私自身の消費行動には何ら影響を与えないと考えますが。
要は、
スタッフの対人能力、提供するサービスの高いお店では、
顧客サイドも『人同士』との繋がりを求める傾向にある。
そして、
対人・接客能力が低く、サービスが心地良くない店では、
『セルフレジ化』した方がスムーズに取り引きが出来る。
人間社会は、アナログでシンプルな原理で動いています。
以前から繰り返す通り対人能力は収入水準を決定します。
現代社会で急激に進むオートメーション化(無人化)は、
その『格差』をより顕著・鮮明にしているだけなのです。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太