今日のテーマは、『最も成功した社会主義国・日本から、米国のチップ文化について考える』です。
二次大戦敗戦後、
半世紀で世界経済のスターダムを駆け上った日本ですが、
海外諸国からは最も成功した社会主義国と揶揄されます。
便宜上、
経済システムとして『資本主義』を導入してはいますが、
本場・米国と比較した時、国民の経済格差は僅かなもの。
実際、
『会社員』という立場の方々は、社歴が同程度であれば、
会社から支払われている給与も、大きくは変わりません。
最近でこそ、
年齢給が廃止され、能力給の比重が高まっていると言え、
同期入社の2人で、10倍の収入格差は考えられません。
つまり、
創出する価値や、会社に対する利益の貢献度に関係なく、
正社員であれば、誰もがほぼ平等に収入を得るシステム。
このように確認していくと、まさに社会主義の鏡ですね。
それでも、
元号・平成以降の30年超の期間は、その水準が低迷し、
世界で相対的に下位の収入に甘んじてしまっていますが。
もちろん、
凡ゆる事象に共通して、問題・課題は存在していますが、
私自身は資本主義という経済システムを支持しています。
何故なら、
それは、他社・社会に対して価値を創出・提供した人が、
貢献に応じて適切に評価されて報酬を得る仕組みだから。
その世界では、
他者に対する貢献度の高い人ほど、高い収入を得られて、
反対に、貢献度の低い人は相応の収入しか得られません。
良くも悪くも、
客観的に評価できる指標(収入)で明確に結果がでる為、
『働かざる者、食うべからず』を体現するシステムです。
しかし、
資本主義の本場・米国ですら、それが上手く機能せずに、
我らが『社会主義』へ傾倒していく風潮があるようです。
先日、
某・金融情報サービス会社が公表した調査結果によると、
対象者の約6割が『チップ文化』に対して否定的との事。
コロナ禍、
タッチパネル形式のデジタル決済機器が普及したことで、
凡ゆる業種でチップを要求されるのも一因と言われます。
実際、
店員を前にして、チップの金額を決定する選択をする際、
全体約3分の1がプレッシャーに感じているとの報告も。
米国でこの数字なら、私たち日本人はより圧を感じます。
少し情報を補足すると、
米国では、チップ受け取り方式にある飲食店の従業員は、
最低賃金ルールにより守られず最低時給は2.13米ドル。
現行為替レートで、
日本円換算300円ちょっとの極めて低い時給ですから、
当然、高インフレにある米国社会で生活していけません。
店側は、
本来果たすべき義務、従業員の生活保障をすることなく、
顧客サイドから得る『チップ』に委ねていると言えます。
前述の調査では、
『チップ制度を廃止するなら値上げしても構わない』と、
考える顧客サイドも多く存在することが分かっています。
もし実現すれば、
一律ながら、従業員に支払う給与を引上げることができ、
客サイドも、チップを考える煩わしさから解放されます。
しかし、
その裏表で、優れた接客で高収入を得ていたスタッフは、
他のスタッフと同程度の収入に甘んじることになります。
それが資本主義の本場・米国で浸透しつつある社会主義。
こうして、社会から『仕事の出来る人材』が失われます。
やはり、地獄につづく道は善意で敷き詰められています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太