今日のテーマは、『ロシア・ウクライナ紛争下、日本円を取り巻く奇妙な動き:前編』です。
『日本円』が下落し始めて、1ヶ月ほど経過しました。
悲しき哉、
2022年第1四半期において、世界主要25通貨中、
紛争下『ロシア・ルーブル』に次ぐ下落率を誇ります。
最も、
直近に限れば、『対ルーブル』としての為替レートも、
紛争勃発前の水準に戻りつつあるというのが実情です。
驚愕ですが、
主要先進諸国から、一斉に経済制裁を受ける国家より、
我らが『日本円』は低い評価を受けているという屈辱。
理屈的に考えれば、理解不能な現象が起こっています。
何故なら、
『対外純資産』の保有額は、日本国は世界で最も多く、
言うなれば『世界一の債権国』という立場があるから。
2022年現在、
何一つとして『保証されたもの』が存在しない世界で、
唯一、通貨としての価値を担保する指標がそれだから。
にも関わらず、
主要先進国の『通貨競争』に負けるだけならまだしも、
紛争下のロシアにも劣るほど、評価が低い現実がある。
それを、先ほどは『理解不能な現象』と表現しました。
この辺り、
昨日の記事中でも、少しだけ触れさせて頂きましたが、
単純に『金融政策の相違』だけでは説明がつきません。
確かに、
覇権国・米国、欧州が『利上げ』へシフトしていく中、
『金融緩和』を継続することは、取り残されています。
相変わらず、
日銀は国債利回りを『0%』でコントロールしており、
このことも、自然の摂理から考えて違和感を覚えます。
表向きは、
歳出に占める国債費(*)増加を理由としていますが、
それだけで片付けても、本当に良いのでしょうか??
*国債費:既発債の償還、利払いにかかる費用のこと。
恐らく、
『本当の理由』は、もっと別なところに存在していて、
一般国民には窺い知れない、重大な欠陥がある筈です。
何れにせよ、
今回の『円安急進』に際して、1つだけ明確なことは、
海外諸国から『日本の国力は衰える』と評されること。
紛争が早期解決し、
輸出が回復して、経常収支がプラスに戻ったとしても、
直ぐ元の世界が戻るほど、単純なものではありません。
茹でガエルが如く、
『日本の国力』は、体感を伴うことなく低下するので、
気付いた時には、挽回不可能な状況にあると考えます。
きっと、
日本人の『99%以上』の方々が、自らの保有資産を、
日本円で、全て日本国内に保有していると推測します。
『日本円』のみを『1つのカゴ』に盛るという戦略が、
果たして、これからの世界でも正しい行動なのか??
国民一人一人が、真剣に考える時代が到来しています。
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現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
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