今日のテーマは、『要人の発言もスルーされる形で、市場では円ショート戦略が進行している』です。
先週の公式ブログでは、
『金利差縮小観測にも円高回帰しない不思議』と題して、
為替市場で日本円が停滞し続ける状況をご紹介しました。
果たして、
紙幣刷新の際、大掛かりなイベントがあるかは別にして、
国際市場で日本円が売り優勢にあることだけは事実です。
現時点、
対基軸通貨として1米ドル=151円台で推移しており、
34年ぶりとなる152円台の突入も射程圏に捉えます。
先日、
1989年以来、日経平均株価が最高値を更新したいま、
34年ぶりの為替水準に突入しても不思議はありません。
この状況に対して、
本日(25日)午前に行われた会見で神田真人財務官は、
『ファンダメンタルズに沿わず明らかに投機的』と発言。
さらに、
『過度な変動は悪影響をもたらし容認出来ない』と続け、
日本政府として為替介入の準備があることを匂わせます。
しかし、
この発言に対して、市場のレスポンスは皆無にも等しく、
その前後で、全く水準を変えることなく推移しています。
2021年以来、
海外ヘッジファンドは一貫して円ショート戦略を維持し、
直近数ヶ月でも、市場で最も人気を集めている取引です。
つまり、
海外ヘッジファンド勢は、ほぼ3年間一貫した見通しで、
『日本円』の価値が下落する方向に賭けているという事。
そして、
年内の利下げ3回が確定した今尚それをキープするのは、
この期間に得られた利益が相当美味いことを意味します。
話を戻すと、
政府要人の発言が、ほぼ完全にスルーされてしまうのは、
日本が匂わせる介入がポーズだと見透かされているから。
以前から、
日本政府の強気(?)な発言と裏腹に、為替を戻すのに、
十分な資金的準備がないことは繰り返し述べてきました。
当然ながら、その状況は2024年現在も変わりません。
今の日本は『帆』を失ってしまった帆船と完全に等しい。
為替動向について、自らコントロール出来ることは無く、
外的な圧力の如何により、海を彷徨い続けるようなもの。
今後の世界で、『日本円』のプレゼンスはどうなるのか。
もちろん、
『円高』に回帰することが絶対的な善ではありませんが、
様々なイベントが集中する年内、動向に注目が必要です。
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2023年1月よりセミリタイア生活に入っているため、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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