今日のテーマは、『メッキの剥がれた空箱:SPAC投資は、輝きを取り戻すのか??』です。
昨年(2021年)まで、
全盛を極めていた『SPAC投資』ですが、今年に入り、
急激な潮流変化が起こり、一気に、苦境へと陥ります。
米・某調査会社の調べでは、
少なくとも1600万ドル(約20兆円)もの資金が、
塩漬け状態に陥り、『空箱』として市場を浮遊します。
振り返って頂けたら分かりますが、
私自身『SPAC投資』が登場した2020年当時から、
投資対象(?)として『怪しさ』を指摘していました。
恐らく、
投資に明るい一部の方を除き、一般認知度は低いため、
その(SPAC投資)仕組みを簡単に振り返りましょう。
そもそも、
『SPAC』とは、株式の未公開企業をターゲットとし、
合併・統合することのみを目的に設立された上場企業。
一般的に、
設立する時点では、合併する企業など決定しておらず、
場合によっては、対象セクターすら決まっていません。
この通り、
完全に『空箱』として設立された企業ですが、通常は、
1株『10米ドル』として投資家から資金調達します。
前述の通り、
合併・統合まで目標期間は『2年』で設定されており、
通常のIPO(新規株式公開)よりも期間短縮されます。
要は、
手っ取り早くキャピタルゲインを得られる手段として、
市場ニーズを満たす投資対象(?)だったと言えます。
恐らく、
賢明な読者の方々は、好意的ではない私の説明に対し、
『これに出資する人間はいるのか?』と思われたはず。
その感覚は、とても『自然』な考え方だと思っていて、
私も、出現当時から『違和感』しかありませんでした。
しかし、
コロナ禍、世界各国連携して『金融緩和』を推し進め、
市場には『投資マネー』が溢れ返る事態になりました。
その結果、
人々の感覚は完全に麻痺して、目新しさも手伝ってか、
『SPAC投資』は、一気に脚光浴びる存在になります。
ただ、
昨年(2021年)後半から、雲行は怪しくなり始め、
今年(2022年)に入り、市場は突然冷え込みます。
それに伴い、
スタートアップ企業への『成長期待』も、急速に萎み、
合併・統合企業を見つける事は、困難を極めています。
全体的な潮流として、
覇権国・米国に限らず、先日は欧州も利上げを表明し、
世界は『緩和マネー』の引き締めへと動き始めました。
また、
形勢の良くない『SPAC投資』に対して、投資銀行も、
掌を返すように、一気に『距離』を置き始めています。
更に、
そもそもが『抜け道』のようなこの制度自体に対して、
SEC(米証券取引委員会)が規制強化に乗り出します。
必然、
実体の伴わない『箱物』の評価は、元本割れしており、
将来的にその評価が回復する『兆し』すら見えません。
神様バフェットの言葉に、次のようなものがあります。
『自分の理解出来ないものに、決して投資しないこと』
この『格言』が今ほど身に染みる時はないと感じます。
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