今日のテーマは、『新しい資本主義の実現で、日本国民の経済問題は解決するか??』です。
今年(2022年)5月、
欧州金融会議で岸田政権が表明した『新しい資本主義』、
『資産所得倍増プラン』が、実現に向けて動き出します。
先日、
2022事務年度、金融行政方針の全容が明らかになり、
『国家戦略』として、取り組まれることが確定しました。
基本方針としては、大まかに分けて、次の『3つ』です。
①『NISA(非課税投資)制度』全般の制度改革と拡充。
現行制度から、『投資上限額』を引き上げる事に加えて、
『拠出可能期間』を撤廃し、制度自体を恒久化するもの。
②日本国民全体で『金融リテラシー』向上への取り組み。
学校教育に組み込むだけでなく、職域までを対象とした、
全世代通じて『金融教育』を受けられる環境を整備する。
③(金融機関サイドにおける)顧客本位の業務運営徹底。
『適合性の原理』に鑑み、其々のリスク許容度に応じた、
適した運用商品(資産形成法)の提案と、具体的な実行。
確かに、
この『基本方針』に間違っておらず、もし実現されれば、
理屈上、国民の『金融リテラシー』は確実に向上します。
しかし、
果たして、それにより日本国民が抱える『経済問題』が、
本当に解決するのか??、と問われたら大いに疑問です。
残念ながら、物ごとは、それほど単純には解決しません。
先ず、
1本目の柱『NISA制度の恒久化』について言及するとき、
投資上限額の引上げは、大幅なものでなければならない。
数年前、
『老後資産2000万円』の問題が話題を集めましたが、
現実的な必要額は、定年退職時『5000万円』程です。
仮に、
最も合理性のある『つみたてNISA』でこれを準備する時、
拠出必要額は『1500万円〜2000万円』程が目安。
もちろん、
資金拠出から『20年間』の投資継続が前提条件ですが、
再現性を考慮して『年率3ー5%』運用が算出根拠です。
次に、
2本目の柱、全世代に対する『金融教育』の拡充ですが、
実現したとして、全国民がマスターする事は不可能です。
これは、
現行教育制度で考えても自明で、学校で教えられる事を、
日本国民『全員』がマスターすることは『空想』だから。
知能指数(IQ)の差により理解自体が厳しい人もいれば、
自制心が欠けている事から、実行不能な人も存在します。
現実に、
『金融教育』が、日本より格段に浸透する欧米諸国でも、
経済的観点で自立・自律する人は、日本同様『少数派』。
そもそも、
日本政府主導で『義務教育』に組み込まれるまでもなく、
『経済的自由』を求めるなら情報・機会は溢れています。
最後に、
3本目の柱、金融機関サイドにおける顧客本位の運営は、
実現すること自体、非常に疑わしいと感じています(笑)
仮に、
『新しい資本主義』なるものが到来したとしても、原則、
民間金融機関サイドは『利益至上主義』で運営されます。
これは、
金融商品(投資手法)を紹介してくる営業マンに対して、
『あなたは、それに投資してますか?』の質問で片付く。
恐らく、これは、未来永劫『YES』にならないでしょう。
理由はどうあれ、
国家が国民の『金融リテラシー向上』に取り組む姿勢は、
崇高なものであり、私自身も、ポジティブに評価します。
しかし、
それが『問題解決』に繋がるかと聞かれれば、懐疑的で、
結局は、自らの『意思』がなければ、何も解決しません。
『国家が、社会が、きっと何とかしてくれる』だろうと、
他力本願で考える人は、経済問題から一生開放されない。
最終的に、個々人の『意思』こそ最重要ということです。
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