今日のテーマは、『2022年以降も、会社員は一生安泰の職業と言えるのか??』です。
かつての日本では、会社員は『一生安泰』の象徴でした。
特に、従業員数1000名を超える大企業に就職すれば、
入社した時点で、『勝ち組』という風潮すらありました。
『かつて』と表現しましたが、そう遠くない昔の話です。
少なくとも、
私自身、大学新卒で就職活動をしていた15年ほど前は、
未だ、ギリギリ、その余韻が残っていた時代と言えます。
当然、
入社した当時、30代後半以上の先輩方は信じて疑わず、
より社内出世することが、成功の唯一のモノサシでした。
まさか、それから10年と少ししか経たない僅かな期間、
もっと言えば直近数年間、ここまで大変革が起こるとは。
かつて、
会社員の方々にとって『在ること』が常識だったものが、
前述した僅かな期間に『無いこと』が常識になりました。
長年信じられてきたものが『180度』変化したのです。
最も典型的なのは、
昨年から、公式ブログでは何度も取り上げて来てますが、
『定期昇給』『終身雇用』という概念が無くなったこと。
今の時代、
大卒新入社員はもちろん、既に入社してはたらく方々も、
1つの会社で勤め上げるイメージなど持たないでしょう。
確かに、
『40年間・勤め上げ』の達成者もゼロでは無いですが、
極少数派の『レア・ケース』と表現する方が正確ですね。
このように、
複数回の『転職』を前提としたキャリア構築全盛の現代、
もう1つの常識だった『退職金』も、機能不全に等しい。
昨年、
厚生労働省により公表された『就労条件総合調査』では、
『退職給付』の減少スピード加速が、鮮明になりました。
言葉の説明を少しすると、『退職給付』が示すところは、
主に『退職金』と『企業年金』を合わせた給付総額です。
1997年、
平均値として『2871万円』のピークを記録した値は、
僅か20年程の期間で『1000万円』も減少しました。
この現実には、皆さん『実感』が伴うと予測しています。
何故なら、
2022年現在、日本全国に名の知れている大企業すら、
『3000万円』にも迫る退職金など支給できないから。
そもそも、
前述の『退職給付の平均値』として、お示しした数字は、
そのほとんどが上場を果たしている『大企業』での水準。
必然、上記該当しない中小企業は、より厳しくなります。
この辺りも、
数字には表れていて、従業員数100名未満の企業では、
そもそも『退職給付』が存在しない企業も『約25%』。
因みに、日本国内の90%超を中小企業が占めています。
余談ですが、経済的背景の違いも考慮の必要があります。
先ほど、
退職給付の『約1000万円減少』をご紹介しましたが、
『お金』の運用環境も、20年前と様変わりしましたね。
1990年代、
年率平均『約8%』もの高い利率を記録した定期預金は、
2022年現在『実質0%金利』となり完全に別物です。
また、
直近数年間は『好調』かのように見える日本国内株式も、
長期視点では、30年前に記録した最高値を超えません。
仮に、
今後経済が上向いても、『日経平均株価4万円時代』が、
近い将来、到来すると予測する方々もほぼ皆無でしょう。
つまり、
かつて経験した、1980年代の『バブル形成期』ほど、
日本国内の株式市場で、運用益は見込めないということ。
中々、『厳しい現実』が存在していると分かるでしょう。
更に、
東京商工リサーチ調査では、昨年(2021年)1年間、
上場企業の早期・希望退職募集は『1.5万人』を超える。
因みに、
早期・希望退職(という名のリストラ)の募集企業数は、
上場企業に限定しても、年間『80社』を超えて来ます。
2年連続での『80社超え』は、サブプライム危機以来。
2年連続での『1.5万人超え』は、国内のITバブル以来。
この辺り、
新型コロナ危機による、経済活動の減速も起因しますが、
企業のダウンサイズ傾向は、恐らく回復以降も継続です。
歴史における『転換点』とも言える、イベントを経験し、
『雇用』に関するパラダイム・シフトが起こったのです。
『会社員』の方々も『生き残る術』を模索していく時代。
『一生安泰』などという概念が、どこにも存在しない今、
経済基盤も含めて、思考のフル回転が求められています。
オープン開催(どなたでも参加可)資産形成セミナーは、
現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太