今日のテーマは、『多くの人たちは、帰還不能点を過ぎてからお金と真剣に向き合い始める』です。
10年間を超える現場経験を通して、実感していること。
それは、
タイトルにある通り多くの人たちが資産形成に臨むのに、
適切なタイミングを逸してしまっているという事実です。
航空業界に『帰還不能点』という言葉が存在しています。
字から推測可能ですが、
一旦離陸した飛行機が何らかのトラブルに見舞われた際、
燃料的に見て空港に引き戻すことができる限界点のこと。
その閾値を超えると、帰還が不能になり危機に陥ります。
航空業界だけに限らず、凡ゆる物事に共通していますね。
例えば、
再現性を求めて着実に資産形成を進めていくのであれば、
運用期間として確保するべき時間は『20年間』が妥当。
必然、
20代で始動すれば、40代でゴールを迎える訳ですが、
それが実行できる人たちは、世の中全体の1割未満です。
そして、
多くの方々は労働収入を得ることに様々な限界が見える、
40代後半から50代でようやく真剣に向き合うのです。
先ほど挙げた、
20代で行動した人たちが、初志貫徹で実行していれば、
経済的目標を実現してセミリタイアを射程圏に捉える頃、
大半の方々は、ようやく重い腰を上げ始めるということ。
こればかりは、本人が気付き、本気になる他ありません。
私自身、
生業とするファイナンシャル・プランナーという仕事は、
経済的疾患を予防・治療する点で医師だと考えています。
患者(顧客)さんが、
経済的に健全なタイミングで受診をしてくれさえすれば、
具体的な対策・治療を幾つか講じることも十分可能です。
しかし、
すでに『末期状態』に陥ってから受診をされたとしても、
奏功する治療はなく、手の施しようがないのが事実です。
その人が、
不摂生な生活を続けたり、怪しげな民間療法に嵌っても、
その状態ではそれを止めることすらしないかも知れない。
何故なら、
仮に、不摂生な生活や怪しげな民間療法を制止出来ても、
こちらとしても提案可能な適切な治療が存在しないから。
それであれば、
身体に良いこととして、ムリな節制を相手に強いるより、
余命を心置きなく楽しんでもらう方が良いかも知れない。
一点だけ異なるのは、
経済的観点で寿命を迎えた場合は、命が絶える訳でなく、
困窮しながらもその後の人生は続くというポイントです。
冒頭、
『帰還不能点』という言葉を用いて示した経済臨界点は、
単純に、資産形成を始める『年齢』だけではないことも。
例えば、
結婚をして『子ども』に恵まれた家庭の場合においては、
大学進学直前に、教育資金を考え始めても解決は不可能。
やはり、
人生における、2大重要事項(健康・お金)についても、
健全と思える時期から、定期的なチェックが不可欠です。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太