今日のテーマは、『株式市場の暴落が起きたとき、私たちはどのように対処すべきなのか』です。
米・トランプ政権が推し進める関税政策が本格的に発動して、米国市場は大きく下落しています。
一時期、4万5000ドルを超える水準にあったNYダウ平均株価は4万ドルを割り込み、先週末(4月4日)の終値として3万8314.86ドルを付ける有り様。
これを受けて、週明けの日本市場も再び大きく下落。
日経平均株価は、前日終値比として一時2900円超下げる場面も見られ、先物市場ではサーキット・ブレーカー(売買取引の一時中断)を発動する事態にまで進展しています。
落ち着きを取り戻した(?)今も、依然として、日経平均は前日比2000円超下落して推移しており、市場の不安定さを考慮するとまだまだ『底』が見えていない状態。
昨年8月、ブラックマンデーを超える下落幅を記録したことは記憶に新しいですが、1年も経たないうちに、私たちはそれに匹敵するショック(大幅下落)を再び経験しています。
このような(市場が大きく下落した)時、稀に『投資をしていて大丈夫ですか?』と聞かれることがあります。
私自身、この問いは回答に窮するというか、正直、意味が分かりません。
もちろん、株式市場の大部分・若しくは全体が下落する時、私をはじめ投資家たちの保有資産も、そのイベントの前後で間違いなく毀損されています。
例えば、メディアは注目を集めるため、神様・バフェットや事業家のイーロン・マスク氏を取り上げて『わずか3日間で保有資産◉◉兆円が吹き飛ぶ』等と報じていますよね。
一般人の基準(生涯年収5億円未満)からすれば超巨額といえる数字が飛び交うため、もしかしたら、彼ら(バフェット、イーロン・マスク等)が動揺する姿を想像しているかも知れない。
しかし、実際はどうかと言うと、彼らとしては『正直、どうでも良い』というのが本音です。
何故なら、世間が過剰反応しているそれ(吹き飛んだ資産)は『含み損』の話であり、手を付ける予定・必要性のない資産については、そのまま置いておけば良いだけだから。
仮に、株式市場が今後10年間を超えるスパンで低迷し続けなら痛手を被りますが、資本主義という経済システムがスタートして以来、一部の例外(日本)を除いてそのようなことは起こっていません。
先ほどは『含み損』という言葉を用いましたが、実際は『含み益の範囲内での増減』という方が表現としてより正確です。そうなれば、いよいよ『どちらでも良い』ですよね。
そもそも、株式市場のアップ・ダウンに一喜一憂するようなら、投資など一切すべきではなく、常に現金を握り締めて・抱え込んで寝ているほうが得策です。
そうすれば、少なくとも保有資産を『数字上』は守ることが出来ます。
それでも、その代償として『投資リターン』を放棄することと、インフレーションによる実際の効力低下を受け入れることは理解しておかなければなりませんが。
真の投資家(NOT・短期売買を繰り返すトレーダー)は博打ではなく、資産形成を実行している。
私たちは、常に『10年先の未来』を見据えながら、日々自らが為すべきことに集中しています。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太