今日のテーマは、『上昇することが既定路線の株式市場に、燻り続けている1つの不安要素』です。
コア読者の方々はご存知の通り、私は以前から繰り返し、
今年以降、数年単位の上昇相場到来を予測してきました。
もちろん、
基本的な考え方は何も変わっておらず、起点となるのは、
2024年内、必ず訪れる米国・政策金利の利下げです。
先日、
今年初めて開催されたFOMC(金融政策決定会合)では、
昨年急ピッチで進められた利上げは2会合連続の見送り。
ただ、
最速で3月に予測された『利下げ』観測も薄れたことで、
米国市場は売り込まれ、前日比マイナスで終えています。
それでも、
長期視点で、それが大きな影響を与えるとも感じられず、
あくまで刹那的なレスポンスに過ぎないと考えています。
しかし、
世界経済に、潜在的なものも含めて何1つリスクはなく、
順風満帆な状態かといえば、決してそうではありません。
恐らく、
多くの投資家は頭の片隅でちらつき続けているのですが、
中国の不動産バブルは、今尚、火種が燻る真っ只中です。
2021年9月、
不動産大手・中国恒大集団の経営危機が顕在化しますが、
早いもので、それから2年半が経過しようとしています。
発端は、
バブル膨張を嫌気した中国政府が規制を強化したことで、
同社は数十兆円規模の債務リスクを負うことになります。
ただし、
これは、中国恒大集団・一企業に限定した問題ではなく、
不動産業界を超えて、国家全体が陥っていたリスクです。
事実、
中国国内における不動産在庫(建設面積ー販売面積)は、
2023年末時点、50億平米に上ると言われています。
仮に、
一戸あたり100平米で3人家族が居住するとしたとき、
単純計算で『1.5億人分』の在庫があることに相当する。
因みに、
直近の販売実績で考えて、既存分だけでも在庫一掃には、
62.7ヶ月(5年超)もの時間を要すると試算されます。
また、
住宅・一次取得者の主流を占める30代の中国内人口は、
2020年の2.2億人から2035年は1.6億人に減少。
僅かな期間、
15年間で『約3割』が減少する計算になっていますが、
人口統計ほど精度の高いものはなく、確実に実現します。
にも関わらず、
この状態でも、不動産開発が完全ゼロになるはずはなく、
ネガティブな意味での底(最悪期)はもう少し先にある。
そして、
大国・中国のバブル崩壊がひとたび起こってしまったら、
その影響は世界経済全体に飛び火する可能性を秘めます。
リスクが顕在化して久しいが、引き続きのマークは必要。
資本主義経済は、常に『リスク』を孕みながら進みます。
——————————————————————–
2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
*ビジネスに関するお問い合せは、直接ご連絡ください。
*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
——————————————————————–
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太