『資産形成スペシャリスト』、井上耕太です★
今朝付けの各紙で、
『HSBC』の本拠地英国残留が報じられました。
これまで、半年以上に渡り議論されてた内容です。
事の発端は、英国政府が業界全体に対して、
『規制強化』と『銀行税引上げ』方針を打ち出したもの。
超巨大金融グループとしては、
経営にも直結する大問題です。
それを受けて、HSBCはじめ英国籍の各銀行は、
それぞれの本拠地を移転する可能性を示唆し始めます。
ここからは、心理戦も絡んできますよね(^_^)
各銀行としても、
『はい、そうですか』と大人しく聞いていては、
英国政府に今後もいいようにやられる。
だから、『英国、出て行こかな』と牽制。
英国政府としても、
巨大金融グループに出ていかれては大損害です。
2014年に『HSBC』が納めた税金は、
『約11億ポンド(当時のレートで2000億円強)』で業界最大規模。
また、ロンドンが世界金融センターの一角を維持する観点からも、
その如何によって『ブランド力』は大きく左右されます。
しかし、『HSBC』側にもリスクは伴います。
移転先としては、
1865年発足の場所『香港』が有力候補の1つでしたが、
中国の政治・経済リスクの影響を受けすぎると不安視する声も。
昨年夏の『チャイナ・ショック』以来、
アジア経済の閑散ぶりは皆さんご想像の通りです。
また、欧米から見て、
『far east:めっちゃ東』の地域に拠点を移すことで、
今後の資金調達コストの増大も懸念されてました。
昨年6月、業績が振るわないことを理由に、
HSBCはグループ全体として約5万人の人員削減を発表してます。
それだけ、台所事情も苦しいということ。
それもあって、なんとか自分にとって有利な条件で、
なるべく早急に結論を出したいという考えでした。
そして、やっと年をまたいで決着★
英国政府との水面下の交渉はあったでしょうが、
無事、英国残留を満場一致で決定してます。
しかし、これで一件落着ではありません。
大株主の一人が指摘するように、
『経営戦略が見えてこない』という一面も。
グローバルに展開する商業銀行がしたいのか、
それとも投資銀行としてもっと洗練されていくのか??
この辺りの動向も、確かに置き去りにされたままです。
『HSBC香港』に口座を持っている日本人は、
一説には数十万人ほどいると言われています。
自分の資産をそこに入れている方がいたら、
このへんの動向も、時には注視しても良いかも知れません(^_^)★