今日のテーマは、『落ち着きを見せる株式市場、クレディ・スイスの火種は燻り続ける』です。
公式ブログを通じた情報発信は、およそ一週間ぶりです。
世間一般の方がゴールデン・ウィークに突入することで、
混雑する時期を避けて、先週は旅行に出掛けていました。
『世間の方々と異なる行動』を取れる選択肢があること、
これも、経済的自由を実現して得られる恩恵の1つです。
本題に入ると、
冒頭の理由で、私自身、目を離すことになった一週間も、
日本と米国、両方の株式市場は堅調に推移していました。
以前から指摘する、
『利下げ転換』による上昇気流は未だ始まらないものの、
近くそれが始まることを感じさせる良好な雰囲気がある。
果たして、
このまま『理想的な展開』で物事は進むでしょうか??
現時点、
株式をはじめ、投資マーケットで燻る1番の『火種』は、
先月、実質破綻した『クレディスイス』を巡るものです。
4月24日付、
同行から公表された、2024年:第1四半期決算では、
『612億スイスフラン』の預金流出が報告されました。
クレディ・スイス全体の預かり資産で『5%』に相当し、
日本円換算して『9兆円』を超える途方もない金額です。
第2四半期に入り、
直近、預かり資産の流出する速度も鈍化しているものの、
それを以て、安心できる状況と捉えるのは時期尚早です。
実際、
シティ・グループ在籍のアナリストによると、最終的に、
預金流出は『1100億スイスフラン』に達すると予想。
日本円換算16兆円超、道半ばというところでしょうか。
今後は、
預金者(富裕層)の自発的な動きに加えて、競合他社に、
優秀なバンカーが顧客ごと引抜かれる動きも加速します。
そうすると、
最悪の場合、クレディスイスは3分の1もの資産と共に、
年間収入で『54億米ドル』の消失も懸念されています。
前述の四半期決算では、
該当する2023年1月ー3月期、グループ全体として、
『124億スイスフラン』相当の黒字が報告されてます。
実質破綻にも関わらず『黒字』とは、一見不思議ですね。
しかし、これ(会計上の黒字)も決して長続きしません。
何故なら、
今回は、以前も紹介したAT1債をデフォルトすることで、
債務負担が軽減した分を、利益計上したに過ぎないから。
世界的コングロマリットとなれば160億スイスフラン、
2兆円程度(?)の借金は、踏み倒してOKなんですね。
もし仮に、
今後も、希望的観測に反して同行から預金流出が続けば、
手を差し伸べた『UBS』サイドも溺れる可能性すらある。
潜在的リスクは解消されないまま、GWへと突入します。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太