今日のテーマは、『ヴェブレン効果(自己顕示欲)から解放された人が資産形成に成功する』です。
タイトルに採用した『ヴェブレン効果』ですが、一般的な認知度は低いかも知れませんね。
19世紀後半から20世紀初めに生きた米・経済学者ソースティン・ヴェブレンがその名の由来で、有閑階級(特権階級で暇を持て余す人々)の消費行動を『見せびらかし』と皮肉を込めて表現しました。
原則として、世界的ラグジュアリー・ブランドのビジネスはその大衆心理により支えられており、スペック(品質・性能)だけでは説明できない、高価で希少性が高いものが好まれる傾向にあります。
視点を引いて冷静に考えてみると、これは不思議な現象ですよね。
例えば、日々の生活で買い物(食品等が典型的)をする際、同類で価格差のあるものが売られていたら、恐らく9割以上の人たちはより安価な方を選択して購入するだろうと想像します。
にも関わらず、前述の世界(ラグジュアリー・ブランド業界)では安価なものは好まれず、むしろ、反対に高価なものほど好まれる傾向にあるというのです。
これは、ヴェブレンが指摘した『見せびらかし』の言葉が端的に説明していて、人は誰しも、他人から評価されたいという欲求を根底に持ち合わせているために取ってしまう行動。
かく言う私も、以前、妻に対する日頃の感謝を表現するため、ラグジュアリー・ブランドの商品を購入したことがあります。
お目当ての商品は希少性が高く、関西圏(大阪・神戸・京都)の店舗から姿を消していたため、仕事を通して付き合いがあり、そのブランドの社外顧問を務める人物にお願いをして確保してもいました。
その際、その人が『井上さんもこういった物を購入するんですね。私自身はほとんど興味がなくて、、、、』と仰られた言葉が、今でも妙に印象に残っています。
身近な方々は理解されるでしょうが、もちろん、私自身も自分のためであれば『そういった物』は先ず購入しません。
元々、バーチャル空間を主戦場とする付加価値には大きな魅力を感じておらず、自らが使う物は、品質に重きを置いて普遍的に長く利用できるものを購入するようにしているから。
ただし、(言い訳的ですが)前述の買いものを正当化するとすれば、それを保有する分に負債(自らのポケットからお金を奪っていく)とならず、仮に売却する場合も値上がりが期待できるということです。
基本的には、資産形成(投資)も主にインカム・ゲインを得ることを目的に実行していますが、保有した瞬間から価値が下落してしまうものを掴むよりはキャピタル・ゲインでも得られるだけマシです。
あなたは、ヴェブレン効果(自己顕示欲)から解放されていますか?
古代ギリシアの偉人・アリストテレスは、人間を『社会的動物』であると表現し、私たちが社会の中で互いに評価され合いながら生活していることを示しました。
しかし、他人の目(評価)を過度に気にするとそれ自体に翻弄されて、自らが真に求めるゴール(幸せ)を見失ってしまいます。
足るを知り、自己顕示欲と折り合いをつけることで、自分自身が本当に満足する人生を送ることが出来ると考えます。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太